ウォーターポンプからの冷却水漏れの修理です。
12万キロ走行でタイミングベルト未交換なので、今回は一緒に交換を予定しています。
寿命はとしては10年10万キロ以上は持ちますが、10万キロが交換の目安!タイミングベルトが切れるとエンジン内部損傷になります。
しかしタイミングベルトとその周辺の部品を交換しますと、修理金額はおよそ5〜6万円かかってしまいます。
そしてそれに加えホ、ンダのアクティやバモスでは、定番の故障としてヘッドガスケット抜けがあります。
- タイミングベルト交換
- ウォーターポンプ交換
- ヘッドガスケット交換
この辺りの整備を頭に入れておきたいところです。
この記事ではタイミングベルト、ウォーターポンプ等の交換の様子と、交換費用を書いていますので、気になる方はご覧ください。
車両情報
- GBD-HA7
- ホンダ アクティトラック
- H21年式 12万キロ
タイミングベルトとウォーターポンプの交換
冷却水の漏れの確認ですが、この位置なら間違いなくウォーターポンプからの漏れです。
ウォーターポンプを交換するにはタイミングベルトを取り外す必要がありますから、12万キロ未交換なので同時交換をします。またその他関連部品も交換します。
交換する主な部品は以下の通りです。
- タイミングベルト
- タイミングベルトテンショナー
- アイドラープーリー
- ウォーターポンプ
- サーモスタット
- クランク、カムシャフトオイルシール
- シリンダーヘッドプラグ
作業の紹介をしますね。
冷却水を抜き、ファンベルト等を取り外します。
タイミングベルトの取り外しの過程でまず「クランクプーリー」の取り外しに苦労させられます。
弊社は何度もやっているので要領は得ています。
クランクプーリーを固定する17ミリのボルトを専用工具を使用して緩めますが、これがとにかく固く締まってます。
1/2サイズのスピンナーハンドルを使うと工具が壊れる可能性があるので、2/3サイズを使用します。(1/2サイズは過去2本ほど壊しました。)
パイプをかませてトルクをかけると「パキンッ」っと音がして緩みます。
ホンダ車をあまり扱わない整備工場では弊社に「緩まない!」と聞きに来たこともあるほどです。
クランクプーリーを取り外すときは小さい「キー」がありますので無くさないように注意します。
カムシャフトポジションセンサーはこんなところにあります。
ヘッドカバーを先に取り外します。
できたらカムホルダーの下側にあるOリングも交換したいところ。よくオイル漏れします。
オイル漏れするとプラグホールにオイルが溜まります。
参考記事をどうぞ
オイル管理はいい方ではなさそうです。
黒いものが「スラッジ」と言われるオイルの汚れです。
エンジン内部の洗浄はワコーズから出ている遅効性の洗浄剤が効果的です。オイル交換時に入れておくようにしましょう。
エンジンマウントの切り離しやエアーホースなどの取り外しをすれば、ようやくタイミングベルトカバーを取り外せるのですが、エンジンマウントとエアーホースの取り外しはやや知恵の輪気味です。
一生懸命作業をしていたら写真を撮り忘れました。
タイミングベルトカバーを取り外したところです。
この状態でクランクプーリーボルトを取り付け、反時計回り(左回り)にクランクを回してカムとクランクにある合マークを合わせます。
タイミングベルトとテンショナーベアリングなどを取り外します。
カムシャフトプーリーは専用工具でプーリーを固定して固定ボルトを緩めます。
カム、クランクシャフトオイルシールの交換をします。
弊社ではタイミングベルトを交換する際は必ずこの手のシール類は交換をします。
修理後にここからオイル漏れをすると二度手間の作業になりますので、最終的に余分な工賃を支払う羽目になるからですね。
そうならないために同時交換を推奨します。またウォーターポンプも同様に要交換です。
クランクシャフトオイルシールの取り外し。今回はスムーズに抜けました。
こちらはハスコーの専用工具を使用します。
シールの挿入も専用工具で作業します。
カムシャフトも同様な作業です。
その他冷却水を抜いてウォーターポンプを交換しタイミングベルト等を組み付けます。
ベルトの張り方ですがテンショナーベアリングの固定ボルトを緩めます。
クランクを回転方向(左回り)へ回し一番テンションがかかった状態でテンショナーベアリングの固定ボルトを締めます。
決してテンショナーベアリングに人為的に力をかけたりしてはいけません。タイミングベルトのハリすぎはうなり音の原因になります。
サーモスタットの交換
シリンダーヘッドプラグの交換。ここもよくオイル漏れする箇所です。
ヘッドカバーやタイミングベルトカバーなどを元通りに取り付けます。
交換した部品です。
エア抜き作業
一通り組みあがったら冷却水を入れエア抜き作業に入ります。この車両はエアーがなかなか抜けないことで有名なのでしっかり作業をします。
エア抜きのブリーダーが3カ所あります。(ATは4カ所)
インマニ付近に12ミリのブリーダー(写真中央)
触媒近くのパイプにエア抜きのボルトが2カ所。
エア抜き方法
- ラジエターに冷却水を上まで注ぎ各エア抜きのブリーダーを緩め冷却水が出たら締めます
- エンジンをかけて2000回転くらいの高めの回転で冷却水を回します
- 1と2を何度か繰り返しエアを抜きます
以上で作業は終了です
タイミングベルトと関連部品交換の費用
今回交換した修理費用を紹介しますね。
交換した部品
- タイミングベルト:1×¥3650
- タイミングベルトテンショナー:1×¥2850
- アイドラープーリー:1×¥3050
- ウォーターポンプ:1×¥7400
- サーモスタット:1×¥1800
- クランクシャフトオイルシール:1×¥450
- カムシャフトオイルシール:1×¥360
- シリンダーヘッドプラグ:1×¥380
- 冷却水:4¥×¥1400
- ヘッドカバーガスケットセット:1×¥1780
交換工賃
- タイミングベルト:¥18700
- カムシャフトオイルシール:¥3400
- クランクシャフトオイルシール:¥3400
- ウォーターポンプ:¥6800
全て合計すると以下になります。
部品代 | 工賃 | 合計 |
¥27320 | ¥32300 | ¥59620 |
バモスはヘッドガスケットが抜ける定番の故障がある
以上タイミングベルトと関連部品をフルコースな感じで交換しましたが、冒頭でも言ったようにアクティやバモスのNA(ターボではないモデル)はヘッドガスケットが抜ける故障が定番となっています。
「ヘッドガスケット」とはシリンダーとヘッドの間にあるガスケットのことです。パーツリストの(6番)です。
これのガスケットが経年劣化でダメになると様々な症状が出ます。
このアクティやバモスの場合は燃焼した排ガスがウォーターラインに入り込み、いわゆるエア噛みの状態となりオーバーヒートとなってしまうことがほとんどです。
リザーブタンクの冷却水の量は減っていないのに、ラジエターの中は冷却水が入っているという厄介な状態で発見が遅れるケースもあります。
走行中に水の流れる音がする場合ヘッドガスケットが抜けている可能性が大です。
以前は保証延長になっていたのでメーカー側も弱点だと認識していたのですが、今では年式的に保証延長の対象車が無いのが現状です。
これを修理するにはガスケットを交換するほかありません。
交換にはタイミングベルトを取り外し、吸気系、排気系の部品を取り外すこととなり高額修理になります。
工賃だけで¥49300となり、関連の部品代ももちろんかかってしまします。
タイミングベルトに約5万円かけた後にヘッドガスケット抜けが起こると、追加修理となりまさに負のスパイラルとなっていまします。
タイミングベルトと同時交換であれば多少工賃は安くなりますが、高額修理になることは間違いありません。
前述した通り、20番のOリングがダメになり、プラグホールへエンジンオイルが溜まるというのも定番の故障です。
こちらもカムホルダーの脱着が必要でこれだけの修理でおよそ2万円の工賃がかかります。(ヘッドガスケットと同時交換がベスト)
まとめ
アクティ、バモスはタイミングベルトやウォーターポンプを交換する際は、今後のヘッドガスケットがダメになるかもしれない!と言う事を理解しておかなければなりません。
費用は下記を参照
- タイミングベルト交換は約6万円
- ヘッドガスケット交換は約5万円
- タイミングベルト、ヘッドガスケット同時交換は約10万円
10万キロ以上走行していれば、いつ不具合になってもおかしくありません。
そこでユーザーさんの決断は主に3つの選択があると思います。
- タイミングベルトをフルコースで修理して、今後ヘッドガスケットの修理も頭に入れておく
- このタイミングベルトとヘッドガスケットを約10万円ほどかけて修理する
- 修理せずに買い替えを検討
ハッキリい車屋の私がオススメを言いますが、断然3番の買い替えを選択がベスト。
今後ヘッドガスケット以外にも様々なトラブルが予想され、修理費にお金がかかってくる年式です。
また壊れた!とならないために最善のタイミングで車の買い替えをお勧めします。
修理か買い替えを悩んだ時のチェックポイントをこちらの記事でまとめていますので参考にしてください
最善のタイミングとは車検が切れるタイミングと、今回のように冷却水漏れを発見して高額修理が予想される場合です。
実は軽トラックや箱形のバモスでは思ってる以上に高額買取をしてくれる可能性があるので、買い替えも検討してもいいのかと。
以下は執筆時の業者オークションでの相場です。
- アクティトラック:10年落ち10万キロは25万円~40万円
- バモス:10年落ち10万キロは30万円前後
もちろん距離が少なかったりいいグレードだったりして、これよりも高い金額で取引もありますので、一度無料査定などでお乗りの車の金額を出してもらいましょう。
今すぐ買い換えを検討していない人も、将来お得な買い物ができる準備として無料査定をしておくことをオススメします。
私のオススメする無料査定はオークション形式で一括査定と比べても高く売れる可能性があります。
また電話も1社のみですので電話攻撃もありません。
なぜオススメかといいますと、私が体験しているからなんですね。ぜひ体験談を読んでみてください。
関連記事もぜひどうぞ