どーも「整備士ノート」の510です。
今回はホンダ フィットのラジエーターファンが回らないという車の修理をしましたのでレポートします。
以下の症状の方は同じ故障かもしれませんよ
- エアコンの効きが悪い(走行中は比較的に効く)
- オーバーヒート気味になる(水温が上がる)
この記事では上記のような症状の車を修理しています。気になる修理費用も書いていますので参考にしてください。
症状
まずお客さんからは
「エアコンの効きが悪い!走るとエアコンが効くようになるんだけど。」
ってな感じでご来店。さっそく車を確認すると、ラジエータファンとコンデンサーファンが回っていません。今辺は症状を聞くだけでどこが悪いのか判断できるレベルの故障です。
車をお預かりしてしっかり診て修理することにしました。このままではオーバーヒートしちゃいますからね。
- 車両データ
- 車種:ホンダ フィット
- 年式:H19
- 走行距離:12万キロ
- 型式:DBA-GD3
ファンが回らないとどうなる?
まず「ファンが回らない」とはどういう事かを説明しますね。
前回バモスでも同じような故障を修理した時の記事があるんですけど、それと同じです。
この記事でいうファンとはラジエーターファンとエアコンコンデンサーファンのことを指します。
画像では扇風機が2つありますよね?それぞれラジエーターファンとエアコンコンデンサーファンとなります。1つで兼用している車もあれば、2つ独立ついている車もあります。
役割はそれどれ違いますので説明しますね。
ラジエーターファンの役目
ラジエーター内を流れる冷却水を強制的に冷やす役目があります。
走行中は風がラジエーター自体にあたるのである程度冷やされますのでいいのですが、信号待ちや渋滞などで風が当たらない場合で冷却水の温度が上がるとオーバーヒートになってしまうので、ラジエーターファンを強制的に回し温度を下げるのです。
ラジエーターファンが故障するとオーバーヒートを起こし、エンジンがダメになる可能性があります。
エアコンコンデンサーファンの役目
エアコンコンデンサーファンの役目はエアコンコンデンサの中の冷媒(エアコンガス)を冷やす役目があります。
エアコンのシステムを簡単に説明すると
エアコンコンプレッサーにより圧縮された冷媒(エアコンガス)はコンデンサーに送られます。
コンデンサ内のガスはファンにより冷却され液化します。
液化したガスを気体にすることでエバポレーターが冷やされ、室内に冷たい風が出るというのがエアコンのシステムです。
要するにエアコンコンデンサーファンが作動していないと、エアコンガスの液化がうまくいかずに、結果エアコンの冷えが悪いと言う事になるんです。
走行中は風でコンデンサーが冷やされますので、エアコン自体も冷風が出るんですね。
故障診断
故障診断に移りますが、ファンが回らないという事実がありますから比較的に簡単です。2つのファンが回らないと言う事はファンモーター不良の可能性は低いと判断し、リレーなどからチェックします。
配線図を見て、システムを理解して頭を使いながら診断します。
予想とは違いリレーも電源もOKでした。
と言う事でファンモーターのチェックをしましたがこちらがNG。ラジエーターファンとエアコンコンデンサーファンの2つのファンモーターがダメでした。
(電源を直せず入れても回らず)
いっぺんに両方のモーターがダメになったとは考えにくいので、どちらかがダメになっていて、気づかずにそのまま乗っていた。もう1つがダメになってエアコンが効かないので修理してほしいと来店っていう流れでしょうね。
オーバーヒートしてなくて良かったです
交換作業
ラジエーターファンモーターとコンデンサーファンモーターを交換しますが、ラジエーターロアホースの脱着が必要となりますので冷却水を抜きます。
抵抗とか測ってみます。NGのモーターは0.792Ω
新品のモーターは0.017Ωですね。
部品はモーターだけ出ます。
カラーがありますのでしっかり入れてくださいね。入れないとファンが「ガタガタ」になります。
冷却水入れてエア抜きしたら完成!
修理費用
修理費用を見てみましょ。
ラジエーターファンモーター | ¥16400 |
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コンデンサーファンモーター | ¥15700 |
冷却水 | 2×¥1400 |
交換工賃 | ¥12750 |
合計 | ¥47650 |
まとめ
ちょっと古い車にしては高めの修理金額になりましたね。
しかし放置するとオーバーヒートになってしまい、最悪エンジン載せ替えやヘッドガスケットが抜けてしまい高額修理になったりします。
フィットの故障をまとめた記事もありますのでご覧ください。