整備士ノートの510です。
今回はIMAランプが点灯した車両が入ってきましたので、レポートします。
IMAとは「Honda Integrated motor Assist System(ホンダ・インテグレーテッド・モーター・アシスト・システム)」のことで、ホンダの乗用車用ハイブリッドシステムのこと。
IMAランプの点灯はこのハイブリッドシステムに異常があることを示しており、診断には専用の診断機が必要となります。
そして今回入庫した車を診断した結果は「バッテリー劣化異常」とダイアグが出ていました。(当社使用のスキャンツールでは「高圧バッテリー容量深刻な劣化」とでました)

簡単に言うと、「ハイブリッド用バッテリーが劣化しているので交換が必要です!」と言う事なんですけど、今回はこのハイブリッド用バッテリーについてお話していきますね。
このハイブリッド用バッテリーの劣化はIMAランプ点灯の定番メニューですので、現在IMAランプが点灯している方や、ホンダのハイブリッド車の購入を検討している方などの参考になればと思います。
Contents
IMAバッテリーの交換費用は?
IMAランプが点灯しスキャンツールでの診断でバッテリーの劣化が出ている場合、IMAバッテリーの交換が必要になってきます。
そこで皆さん気になるのは交換費用ですよね?
執筆現在では修理するとなると以下のような費用が掛かります。
IMAバッテリー | ¥123000 |
交換工賃 | ¥27000 |
合計 | ¥150000 |
※税抜き
※価格は変動します
以下はディーラーの見積もり(税込み表示)


このようにハイブリッド用バッテリーが寿命を迎えると、交換が必要になり15万円を超える高額修理となってしまいます。
しかしこれでも安くなった方なんです。
以前はIMAのECUとバテリーのセット交換が必要だったのですが、今はバッテリーのみの交換でよく、前と比べて修理費用は安くなっています。
他社のプリウスやアクアなどでも同様の修理金額になっているみたいですね。
しかし10万円を超える修理と言うことで、修理金額を抑えたいって方も多いと思います。
そこで真っ先に思いつくのが中古品の使用です。実際ヤフオク!などにはたくさんのIMAバッテリーが出品されています。
しかし私は修理金額が抑えれるからと言う理由で、中古品の使用をオススメいたしません!
その理由は中古品のバッテリーの品質の担保ができない点や、交換には特別な知識が必要となり素人が交換できるものではないということです。
電池切れのリモコンに中古電池を買ってきて使わないですよね?中古バッテリーを使うということはそれと一緒です。
またハイブリッド車のバッテリー交換では死亡事故例があるほど危険な作業ですので、修理するのであれば経験豊富な整備工場へ修理に出すようにしましょう。
さて、走行距離的には修理をせずに「車を乗り換える」という選択もありだと思います。
下記の記事では車の買い替えのタイミングを失敗しないようにアドバイスしていますので参考にしてみてください。
参考記事:車の買い替えのタイミングについて
でも交換修理ももったいない!車の買い替えもすぐにはできない!そのまま乗るのはダメなの?って思う方もいると思いますが、こちらは実は意外にも平気だったりします。
そもそもホンダのIMAは発信時や加速時のエンジン負荷がかかるタイミングで、モーターがアシストする仕組みとなっています。
IMAバッテリーがダメになると、このアシストするモーターが働かなくなるだけなので普通に走行する分には問題がない。
ただ当然燃費が悪くなるなどの弊害は出てくるでしょう。
とはいえハイブリッド車本来の性能が発揮できていないわけですから、乗り続けるのではなく修理する、もしくは車の買い替えの検討を視野に入れのがいいのではないか?と個人的には思います。
IMAバッテリーの寿命は?

画像引用:ウィキペディア
今回はIMAのバッテリーの寿命と言うことで交換が必要と言う結果になりましたが、このハイブリッド用のバッテリーの寿命ってどのくらいなんでしょう?
次回はハイブリッドの中古車購入を検討しているなんて方は、このハイブリッド用のバッテリーの交換時期などは気にかけたいところですよね。
買ってすぐに15万円の修理が必要!なんてことになりますから。
今回ご紹介した、弊社車検で入庫したインサイト(ZE2)は以下のような状態でした。
- 11年落ち
- 20万キロ走行
その他ネットなどの口コミを確認すると15万キロ~20万キロ寿命を迎えることが多いようですね。これは他社のプリウスやアクアでも同様です。
IMAバッテリーでは「ニッケル水素電池」と言われる種類ですが、充放電を繰り返すサイクル数によって寿命が変わってきます。これは最近採用されているリチウムイオン電池でも同様に言えることです。
方充電を繰り返すサイクルと言うのは、車でいうと簡単な目安は走行距離になると思います。
よって15万キロあたりを超えている車両に関しては、ハイブリッド用バッテリーの交換を視野に入れるべきでしょうね。
中古車購入時はハイブリッド用のバッテリーの交換履歴や、交換する場合はどのくらいの費用が掛かるかを頭に入れておいた方がよさそうです。
まとめ
今回はIMAランプの点灯した車両で、診断結果が「バッテリー異常劣化」でした。
車を正常の状態にするにはIMAバッテリーの交換が必要となり、その修理金額は約15万円(税抜き)と高額。
基本的にユーザーは
- 修理をするか
- 車の乗り換えをするか
この2択の選択となるでしょう。
突然ランプが点灯して、高額修理です!と言われても「じゃー車を乗り換えるか!」となかなかならないでしょう。
まずは深呼吸をしてみて検討してみましょう。
個人的には今回入庫してきた20万キロオーバーの車両に関しては、乗り換えをおすすめします。
ハイブリッドのバッテリーに劣化がきているように、他の部品も劣化がすすんでいるからです。
修理に次ぐ修理の負のスパイラルになる修理地獄になるのも嫌ですよね。
まずは乗り換えの車にはいくらくらいの予算を投入できるか、今乗っている車の買取価格はどのくらいあるのか?をまずは検討してみましょう。
私がオススメしているオークション形式の車買取ですと、過走行のハイブリッド車でも高価買取してくれる可能性があります。
その理由として輸出が効くからなんですね。
日本のハイブリッド車は人気ですから1度最査定してみるといいです。
詳しくはこちらの記事で紹介していますので、参考にしてください。私の体験談を書いています。