整備士ノート510です。
「パワースライドドアが開かないのでみてほしい!」という依頼はよくあります。
具体的内容は以下のようなものが多いです。
- 車内のスイッチで開閉しない
- 外側、内側のハンドルで開閉しない
- パワースライドだけ動かない
- スライドドア自体全く開かない
- スライドドアから異音がして開かない
- 途中までパワースライドは動くが、引っかかり止まる
これらの原因としてはドライバー側にあってすぐに直せる場合、車両側にあり修理を要する場合など多岐にわたります。
この記事ではパワースライドドアが開かなくなった時にユーザーができる確認方法や、故障修理にかかる費用などを紹介しますね。
パワースライドドアが開かない原因と対処方法
パワースライドドアが作動しない主な原因として7つ挙げると以下の通り
- メインスイッチOFFになっている
- バックアップを取らずにバッテリー交換した
- 窓ガラスが開いている
- チャイルドロックしている
- 給油口が開いている
- ウェザーストリップ張り付き
- パワースライドドアの故障
ユーザーが簡単にできるものから紹介しますので、今まさにパワースライドドアが動かない方は早速チェックしてみてください。
メインスイッチOFFになっている
1番多いのはパワースライドドアのメインスイッチがOFFになっていることです。
「パワースライドドアが開かない!」などの問い合わせで、8割くらいがこのメインスイッチのOFFが原因です。
自分でOFFにしたつもりが無くても、触ってしまってOFFになった可能性があります。
パワースライドドアが動かなくなってしまったら真っ先にメインスイッチをチェックしてみてください。
バッテリー交換後の設定
バッテリーを交換した直後にパワースライドドアが動かなくなった場合は、スライドドアの学習がリセットされた可能性があります。
スライドドアを開けたままバッテリーを外すと、スライドドアの学習がリセットされ、パワースライドが作動しないことがあります。
復旧としては手動でスライドドアを強制的全閉してください。全閉にすることで学習が終わりますのでパワースライドドアが復旧します。
窓ガラスが開いている
スライドドアの窓ガラスが開いていると、スライドドアが全開しない車種もあります。
これは挟み込みの事故を防止する目的で、全開にさせない構造になっているためです。
窓ガラス全開で子供が首を出している状態で、パワースライドアが突然動き出すとドアとボディに挟まる可能性があり危険ですからね。
いつもと比べてスライドドアが全開にならない!って方は窓ガラスが締まっているかを確認してみてください。
チャイルドロック
内側のハンドルからのみスライドドアが開かない場合は、チャイルドロックが掛かっている可能性がある。
チャイルドロックとは安全面を考慮して子供が勝手にドアを開けれないようにする機構です。
チャイルドロックを掛けた状態ですと内側のドアハンドルでの操作でドアは開きません。
チャイルドロックの位置は、スライドドアの内側サイドにあることが多い。
インサイドハンドルのみでスライドドアが開かない!って方はチャイルドロックをチェックしてみよう。
給油口が開いている
給油口が空いている場合はパワースライドドアが動きません。
もし給油中にスライドドアが全開になると、ドアと給油ノズルが接触し大事故になってしまいますよね?
こういった事故を防ぐために給油口が空いている状態ではストッパがあり、スライドドアは開かないようになっています。
給油口が開いていないかチェックしてみてください。
ウェザーストリップ張り付き
一部の車種でよくあったのがウェザーストリップの張り付きです。
ウェザーストリップとは室内に雨などが入り込まないようにするために、ボディとドアを密着させるゴムの部品です。
ウェザーストリップの劣化や気象条件により張り付きを起こし、スライドドアが開かないことがあります。
部品交換や注油などで対策しましょう。
建付けが悪い
スライドドアの建付けが悪い場合もパワースライドドアは開きません。
事故でなどでボディが歪んでいる場合や、スライドドアをぶつけられた時などは疑いましょう。
修理はスライドドアの調整などをします。
パワースライドドアの故障
ここまでチェックして該当しない場合は、パワースライドドア機構の故障が疑わしい。
パワースライドドアの機構は部品点数が多く故障の原因は多岐にわたり、修理費用は数千円で済む場合や10万円程度かかる場合もあります。
原因の特定は修理工場におまかせするのが基本ですが、ここではよくある事例とその修理費用を紹介します。
ワイヤー切れ、モーターの故障
スライドドアの開閉は、ドアに設置されているケーブル(ワイヤー)をモーターが引っ張ることにより可動しています。
このワイヤーが切れたり、モーターが故障すると当然パワースライドドアは正常に動きません。
ワイヤーの交換費用は比較的安いが、モーター故障の場合は高額になるケースが多い。
故障個所 | 修理費用 |
---|---|
ワイヤー交換 | 2万円前後 |
モーター交換 | 8万円前後 |
ドアロックロックの故障
スライドドアも通常のドアと同じようなドアロック機構が使われています。このドアロックが故障すると、スライドドアが開かないなどの症状となります。
ドアロックの部品はアッセンブリーとなっていることが多いので、比較的高い修理費用がかかります。
ドアロック交換 | 4万円前後 |
リリースアクチュエータの故障
スライドドアのドアロック解除する部品がリリースアクチュエータですが、この部品が故障するとスライドドアが開きません。
症状としては
- 少し手で押してあげると正常に動く
- スイッチ類では動かない
- 何かに引っかかっている感じがする
などがあります。
リリースアクチュエータの故障原因は、内部のモーター不良だったりしますが、部品はリリースアクチュエータ本体のみの設定です。
リリースアクチュエータ交換 | 3万円 |
コントロールロールユニットの故障
パワースライドドアの部品構成で「コントロールユニット」がありますが、この部品は高価なので故障すると修理費用は高い。
私はまだ経験がないので故障する可能性としては低いと思います。
コントロールユニット故障 | 8万円前後 |
リモコンの不具合
リモコンのスイッチで開かない場合は
- リモコンの電池切れ
- リモコン本体の故障
が考えられます。
リモコン電池切れ | 500円 |
リモコン本体故障 | 2万円前後 |
パワースライドドアが開かない原因と対処方法まとめ
パワースライドドアが開かない原因を紹介しましたが、原因は多岐にわたりましたね。
ユーザーができるチェック項目
原因が自分(ユーザー側)にある場合もありますからまずはチェックしましょう。
- メインスイッチOFFになっていないか?
- バッテリー交換したあとの学習
- 窓ガラスが開いていないか?
- チャイルドロックしていないか?
- 給油口が開いていないか?
- ウェザーストリップは張り付いていないか?
すべてOKならば、パワスライドドアが故障している可能性があります。修理工場へ持ちこみ診てもらいましょう。
パワースライドドアの修理費用まとめ
おおよその修理代金をまとめます
故障個所 | 修理費用 |
---|---|
ワイヤー交換 | 2万円前後 |
モーター交換 | 8万円前後 |
ドアロック交換 | 4万円前後 |
リリースアクチュエータ交換 | 3万円前後 |
コントロールユニット故障 | 8万円前後 |
リモコン電池切れ | 500円前後 |
リモコン本体故障 | 2万円前後 |
修理しない・乗り換えの検討
あまりにも修理代が高い場合は
- 修理せずそのまま乗る
- 車の乗り換えを検討する
このような選択肢もあります。
先日弊社のお客様もパワースライドドアの故障をし、見積もりを出したところ修理せずに車の乗り換えを選択されました
その理由としては
- 故障が多発(スライドドアの故障が2回目)
- 修理金額が高かった(5万円)
- 車検期限が近かった
- そもそも乗り換え時期かと思っていた
などがありました。
適正なタイミングで車の乗り換えをしたいところですね。
下記の記事が参考になるのではないでしょうか
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↓
パワースライドドアが壊れていても、ファミリーカーは需要ありますので値段がつくことが多いです。下取りでカモにされないように査定しておきましょう。
また
- ユーカーパックってなに?
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って方は私が実際に体験した査定を記事にしていますのでご覧ください。