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ハブベアリング交換費用はいくら?前後の工賃・異音・寿命を整備士が解説

ハブベアリング交換費用とフィットGD3のフロント・リア交換実例、異音や寿命を解説する画像

どーも、「整備士ノート」の510です。

「走行中にゴーという音がするけど、ハブベアリングの故障かな?」「ハブベアリングの交換費用はいくらかかる?」

そんな疑問を持っている方に向けて、実際の修理事例を紹介します。

今回、車検で入庫したホンダ・フィット(GD3)から、走行中に「ゴォー」という異音が発生していました。

点検したところ、左フロントのハブベアリングにガタがあり、右リアのベアリングにも回転時のゴリゴリ感が確認できました。

そこで、フロントとリアのハブベアリングを1か所ずつ交換しました。

気になる交換費用は次のとおりです。

交換箇所実際の修理費用
フロント片側18,830円
リア片側18,300円
前後2か所の合計37,130円

※実際に修理した当時の料金です。2026年現在の部品価格や工賃は異なる場合があります。

この記事では、ハブベアリングの異音や寿命、フロントとリアの交換作業、修理費用、1か所故障した場合にほかの3か所も交換したほうがよいのかを、整備士の経験をもとに解説します。

  • 車種:ホンダ フィット
  • 型式:DBA-GD3
  • 年式:平成18年(2006年)
  • 走行距離:約10万km
  • 交換箇所:左フロント・右リア
  • 修理費用:合計37,130円
目次

ハブベアリング交換費用はいくら?前後の工賃を比較

まずはハブベアリングの交換費用について、詳しく紹介します。

交換費用は、車種やフロント・リア、ベアリングの構造、部品の供給方法によって変わります。

今回のフィットGD3では、フロントとリアで部品代と工賃に大きな違いがありました。

フロントハブベアリングの交換費用は18,830円

項目金額
ハブベアリング4,380円
交換工賃14,450円
合計18,830円

フロント側は部品代より工賃のほうが高くなっています。

なぜなら、今回のフィットはベアリングをプレスで圧入する構造だからです。

ハブ周辺を分解し、古いベアリングを抜き取って新しいベアリングを圧入する必要があります。

部品そのものは比較的安くても、交換には手間がかかるんですね。

リアハブベアリングの交換費用は18,300円

項目金額
ハブベアリングASSY11,500円
交換工賃6,800円
合計18,300円

一方、リア側はハブASSYで部品が供給されていました。

ベアリング単体より部品価格は高くなりますが、フロントのようなプレス圧入作業が不要なため、今回の工賃は比較的安くなっています。

前後の費用はほぼ同じですが、部品代と工賃の内訳がまったく違うのは面白いところですね。

4輪すべて交換すると費用はいくら?

今回の単価で単純計算すると、フロント左右とリア左右の4か所をすべて交換した場合は74,260円になります。

ただし、これは実際に4輪交換して請求した金額ではなく、今回の交換料金を使った試算です。

車種や部品価格、交換作業の内容によってはさらに高くなることもあります。

また、4輪すべてを必ず交換する必要があるわけではありません。この点は後ほど整備士としての考え方を詳しく説明します。

ハブベアリングとは?どんな役割がある部品?

ハブベアリングとは、車のタイヤを滑らかに回転させるための重要な部品です。

タイヤやホイールが取り付けられるハブの部分に使用されています。

代表的なベアリングには、ボールベアリングやテーパーローラーベアリングなどがあります。

ボールベアリング

ボールベアリングは、内部に複数の鋼球が組み込まれているベアリングです。

ハブベアリングの内部構造と複数の鋼球を確認できる写真

鋼球によって回転部分の摩擦を減らし、スムーズな回転を支えています。

現在の乗用車では、シールされたユニット型のハブベアリングが多く使われています。

テーパーローラーベアリング

テーパーローラーベアリングは、円すい状のころを使用したベアリングです。

円すい状のローラーを使用したテーパーローラーベアリング

車両や構造によっては、グリスの交換やベアリングの調整が可能なものもあります。

一方、密封型のハブベアリングでは、基本的に内部のグリスを補充したり、摩耗した部分だけを修理したりすることはできません。

故障が確認された場合はベアリングやハブASSYを交換することになります。

ハブベアリングが故障するとどんな異音がする?

ハブベアリングの内部が摩耗すると、走行中に「ゴー」「ゴォー」「ゴロゴロ」といった異音が発生することがあります。

特に、車速が上がるにつれて音が大きくなる場合はハブベアリングを疑う材料になります。

実際に異音が出ている参考動画はこちらです。

ハブベアリングの異音を動画で確認する

ただし、走行中のゴーという音は、ハブベアリング以外にもタイヤの偏摩耗やロードノイズなどが原因になる場合があります。

そのため、音だけで故障箇所を断定するのは避けたいところです。

ハブベアリングの異音を見分けるポイント

  • 車速に応じて異音の大きさや周期が変わる
  • 路面が変わっても似た異音が続くことがある
  • 旋回時の荷重変化で音が変わる場合がある
  • ベアリングの状態によってはガタや回転時のゴリゴリ感がある

ただし、旋回時の音の変化だけで左右どちらが故障しているかを確定することはできません。

異音の発生箇所を正確に判断するためには、リフトアップして各輪のガタや回転状態を確認することが重要です。

ハブベアリングの寿命は10万km?交換時期の目安

ハブベアリングの寿命が何万kmなのか、気になる方も多いと思います。

今回のフィットは平成18年式で、走行距離は約10万kmでした。

私の整備経験では、10年・10万kmを超えた車でハブベアリングの不具合が発生するケースもあります。

そのため、走行距離が10万km前後になったら、今後の交換が必要になる可能性を頭に入れておきたいですね。

ただし、ハブベアリングは10万kmで必ず交換する部品ではありません。

使用環境や荷重、衝撃、部品の状態などによって寿命は変わります。

10万kmを超えても問題なく使用できる車もあれば、それ以前に故障する車もあります。

大切なのは、走行距離だけで判断せず、異音やガタなどの実際の状態を点検することです。

ハブベアリングの異音を放置すると危険?

ハブベアリングから異音が出ていても、車が普通に走るからと修理を後回しにしてしまう方もいるかもしれません。

しかし、ハブベアリングの異常を放置するのはおすすめしません。

摩耗が進むと、異音だけでなくガタや振動が大きくなることがあります。

さらに損傷が進行すると、ベアリングの焼き付きやハブ周辺の重大なトラブルにつながる可能性もあります。

最悪の場合、走行不能や車輪の保持に関わる重大な事故につながるおそれがあるため、早めの点検が必要です。

なお、ハブベアリングは異音が出ていても明確なガタが確認できない場合があります。

「ガタがないから大丈夫」と自己判断せず、いつもと違う走行音がする場合は整備工場で点検してもらいましょう。

ハブベアリングの交換作業|フィットGD3の実例

ここからは、実際に修理したフィットGD3の作業を紹介します。

今回の車両は、左フロントのハブベアリングにガタがあり、右リアのハブベアリングには回転させた際のゴリゴリ感がありました。

この2か所を交換していきます。

① フロントハブベアリングのガタを確認

まずフロント側のガタを確認しました。

タイヤを上下方向に持って揺すると、左フロントにガタが確認できました。

フィットGD3の左フロントハブベアリングのガタを点検した写真

ただし、タイヤにガタがあるからといって必ずハブベアリングが原因とは限りません。

ボールジョイントやステアリング関係の部品などにもガタがないか確認し、原因を特定します。

今回の車両ではハブベアリングの不良と判断し、交換することにしました。

② ハブ周辺を分解する

交換するために、まずハブ周辺の部品を取り外します。

フィットGD3のフロントハブベアリング交換で足回りを分解している写真
フロントハブベアリング交換のためハブ周辺部品を取り外す作業
フィットGD3のフロントハブ周辺を分解した状態

分解してみると、ハブ周辺にはサビも確認できました。

湿気などの影響も考えられますが、サビだけで今回のベアリング故障原因を断定することはできません。

③ プレスを使ってハブとベアリングを抜き取る

フロント側は圧入式のハブベアリングなので、プレスを使用します。

油圧プレスを使用してフィットのフロントハブを抜き取る作業写真
フロントハブベアリングをプレスで分解している実作業写真

ハブを抜き取ると、ベアリングのインナーレースがハブ側に残ることがあります。

今回もインナーレースが残っていたため、専用工具などを使用して取り外しました。

フィットのハブ側に残ったベアリングのインナーレースを取り外す作業

この工程では、ハブの当たり面や部品を傷つけないように注意が必要です。

④ 新しいハブベアリングを圧入する

古いベアリングを取り外したら、新品のベアリングを圧入します。

油圧プレスを使ってフィットGD3の新しいフロントハブベアリングを圧入する様子

ここで注意したいのが、圧入時に力をかける位置です。

ベアリングの内輪・外輪を適切に支持せずに圧入すると、新品のベアリングを傷めてしまう可能性があります。

また、ベアリングの向きにも注意が必要です。

⑤ ABS用の磁気エンコーダーの向きに注意

今回のフィットで使用されているハブベアリングには、ABSセンサーが回転を検出するための磁気エンコーダーが組み込まれています。

そのため、ベアリングには取り付け方向があります。

フィットGD3のハブベアリングにあるABS用磁気エンコーダーの向きを確認する写真
ABS磁気エンコーダーのあるハブベアリングを組み付ける際の確認写真

磁気エンコーダーの向きを間違えて組み付けると、ABSセンサーが正常に車輪速を検出できなくなる可能性があります。

ベアリングによってエンコーダーの位置や構造は異なるため、組み付け前に適合部品と整備書を確認することが重要です。

圧入後は取り外した部品を規定どおりに組み付け、フロント側の交換は完了です。

リアハブベアリングの交換作業

続いて、右リアのハブベアリングを交換します。

今回のフィットは、リア側がハブASSYでの部品供給でした。

そのため、フロントのようなベアリング単体の圧入作業ではなく、ハブASSYを交換します。

フィットGD3のリアハブベアリングASSYを取り外す作業写真

ハブ中央のキャップを外して固定ナットを取り外し、ハブASSYを交換します。

なお、固定ナットの再使用可否や締付トルクなどは車両の整備書に従います。

フィットGD3から取り外したリアハブベアリングASSYの写真

ハブベアリングは外観だけでは不良がわからない場合があります。

今回の右リアも、手で回したときのゴリゴリ感が故障を判断する材料になりました。

フィットGD3のリアハブベアリング交換作業とハブASSYの状態を確認する写真

新しいハブASSYを取り付け、各部を規定どおり組み付けてリア側も作業完了です。

ハブベアリングが1か所故障したら4輪すべて交換すべき?

さて、ここからは整備士としてお伝えしたいことがあります。

今回のフィットでは左フロントと右リアの2か所を交換しましたが、残りの2か所は交換していません。

では、ハブベアリングは故障したところだけ交換すればよいのでしょうか?

結論からいうと、4輪すべてを同時交換する必要はありませんが、ほかのベアリングも今後交換時期を迎える可能性を考えておくことが大切です。

なぜなら、4輪のハブベアリングは基本的に同じ年数、同じような走行距離を使用してきた部品だからです。

もちろん4輪すべてが同じように摩耗するわけではありません。荷重や走行条件、部品の個体差などによって劣化の進み方は異なります。

しかし、1か所のハブベアリングが寿命を迎えたということは、ほかのベアリングもそれなりの年数と距離を使用しているということです。

私の整備経験でも、1か所を交換したあと、別の箇所から異音が出るケースは考えられます。

残りのベアリングも今後故障する可能性がある

例えば、左フロントのハブベアリングから異音が発生し、そこだけ交換したとしましょう。

その時点では右フロントやリアのベアリングに異常がなくても、数か月後や数年後に別のベアリングから異音が発生する可能性はあります。

お客様からすれば「この前修理したばかりなのに、また異音がするの?」と思ってしまいますよね。

しかし、これは交換したベアリングが再び壊れたのではなく、交換していない別のベアリングが故障したというケースも考えられるんです。

こうした誤解を防ぐためにも、修理する際には残りのベアリングの点検結果と、今後交換が必要になる可能性をお客様へ説明することが重要だと考えています。

予算に余裕があれば予防交換も選択肢

私としては、年式が古く走行距離も多い車であれば、ほかのベアリングの予防交換も検討する価値があると思っています。

特に今後も長く乗り続けたい車なら、あらかじめ交換しておくことで、後日別の箇所が故障するリスクを減らせる可能性があります。

ただし、予防交換には当然費用がかかります。

今回のフィットでも、4輪すべてを交換すると相応の修理金額になります。

そのため、予算を優先する場合は異常が確認された箇所だけを交換し、残りは定期点検で状態を確認していく方法もあります。

大切なのは、必ず4輪交換することではなく、今後の故障リスクを理解したうえで修理範囲を決めることです。

今回のお客様にも予算の都合がありましたので、異常を確認した左フロントと右リアの2か所を交換しました。

このように、車の状態だけでなく、お客様の予算や今後の使用予定も考えながら修理方法を決めることが大切だと思います。

ハブベアリングの交換費用が高い場合は修理か買い替えかも検討

今回のフィットは、約10万km走行した車両でした。

走行距離が増えてくると、ハブベアリング以外の部品にも劣化が進んでいる可能性があります。

例えば、ショックアブソーバーや各部ブッシュ、エンジンマウント、エアコンなど、今後修理が必要になる部品も考えられます。

もちろん、10万kmを超えたからといって必ず故障が続くわけではありません。

ただし、今回のように複数のハブベアリングに異常が出ている場合は、車全体の整備状態を確認しておきたいところです。

修理費用が高くなるようなら、車の買い替えも選択肢になります。

修理と買い替えの判断については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

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ハブベアリング交換に関するよくある質問

Q. ハブベアリング交換費用は片側いくらですか?

今回のフィットGD3では、フロント片側18,830円、リア片側18,300円でした。ただし修理当時の実績であり、車種や部品構造、工賃によって異なります。

Q. ハブベアリングが1か所壊れたら4輪すべて交換ですか?

必ず4輪交換する必要はありません。ただし、ほかのベアリングも同じ年数や走行距離を使用しているため、今後故障する可能性を考慮したいところです。予防交換するか、異常箇所だけ交換するかは、残りの部品の状態と予算を考えて判断します。

Q. ハブベアリングは何万kmで交換するものですか?

決まった交換距離があるわけではありません。10万km前後で不具合が発生する場合もありますが、使用状況によって大きく異なります。異音やガタが出た場合は早めの点検をおすすめします。

Q. ハブベアリングにガタがなくても異音は出ますか?

はい。内部の損傷によって異音が発生していても、手で確認できるほどのガタが出ていないことがあります。異音や回転時の状態などを総合して判断します。

Q. ハブベアリングの交換はDIYでもできますか?

構造によって作業方法は異なりますが、今回のフィットのフロント側は油圧プレスなどの工具が必要です。また、ベアリングの圧入方向やABS磁気エンコーダーの向き、各部の締付管理なども重要になります。専門の整備工場へ依頼することをおすすめします。

まとめ|ハブベアリング交換は故障箇所と残りの部品の状態を確認しよう

今回は、フィットGD3のハブベアリング交換作業と修理費用について紹介しました。

  • 走行中の「ゴォー」という異音がきっかけで点検
  • 左フロントにガタ、右リアに回転時のゴリゴリ感を確認
  • フロント片側の交換費用は18,830円
  • リア片側の交換費用は18,300円
  • 2か所の交換費用は合計37,130円
  • 4輪すべての同時交換は必須ではない
  • ただし、残りのベアリングも今後故障する可能性がある

ハブベアリングは、タイヤの回転を支える重要な部品です。

異音やガタが発生している場合は放置せず、早めに点検・修理することをおすすめします。

そして、整備士としてもうひとつお伝えしたいのが、1か所が故障した場合は、ほかのベアリングも今後交換時期を迎える可能性を考えておくことです。

すべてを同時交換する必要はありませんが、車の年式や走行距離、ほかの部品の状態によっては予防交換もひとつの選択肢になります。

今回のように、異常を確認した部分だけ修理して費用を抑える方法もあります。

修理を依頼する際は、今回交換する部品だけでなく、ほかのベアリングの状態や今後の交換リスクについても整備工場に確認しておくと安心ですね。

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