一般整備

クラッチの交換作業!オーバーホール費用について

クラッチのオーバーホール作業を実施したのでレポートします。

最近はマニュアル車が少なくなってきましたので、こういったクラッチのオーバーホール作業も減ってきました。

今回は久しぶりにクラッチ関係の作業をしましたので作業の様子とクラッチの仕組み、役割などを解説していいけたらと思います。

まず基本となるところからご説明します。

クラッチとは?

クラッチとはエンジンの動力をトランスミッション(変速機)に伝えたり遮断したりする装置のことです。

仕組みについては動画を見るのがわかりやすいと思います。

クラッチの仕組みについての動画

クラッチの消耗品を交換しないとどうなるの?

トランスミッション内部のクラッチ関連の部品は消耗品です。

各部品が摩耗してくると様々な症状が出てきますが、具体的にはどんな症状が出るのか解説します。

■クラッチが滑りスピードが上がらない
■動力が伝達せずに走行不能になる
■クラッチ操作時に異音がする

最終的には走行不能になりますので、クラッチが摩耗したら速やかにオーバーホールを実施しましょう。

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クラッチのオーバーホール時期

ではクラッチが摩耗ってどうやったらわかるんでしょうか?

クラッチからの異音や走行不能といった状況であれば故障修理ということになりますが、そうならない為の予防整備はどのタイミングですればいいのでしょうか?

突然走行不能になっても困りますもんね?

クラッチは実際に運転する人によって交換時期は変わっています。

普通に乗っていれば10万キロくらいは余裕で乗れますが、人によっては2万キロで要交換なんてこともあります。半クラッチを多用するとこのようにクラッチの寿命が大幅に縮むんです。

なので走行距離で一概に交換時期を目安にするのは適当ではないと思います。

クラッチの摩耗はペダルの遊びや踏み代などで判断します。

遊びが調整できるもの(ワイヤー式)は調整をしますが調整できない範囲に来ると交換時期です。また調整できないタイプは(油圧式は)クラッチの切れる位置が正常ならばいつもと同じ位置で切れますので、奥で切れたり手前で切れるものは何らかのトラブル、もしくは摩耗と判断できるでしょう。

ただ毎日乗っている車ですと慣れてしまって、「遊びが多いのか」「クラッチが切れる位置が適当なのか」判断できない場合が多いです。

法定12ヶ月点検ではクラッチは点検項目となっていますので、車検だけではなくしっかり12ヶ月点検を整備工場へ出し整備のプロに定期的に見てもらうのが何よりの予防整備です。

オーバーホールとは?

クラッチのオーバーホールとは主にクラッチの消耗品を交換することと、各部のグリスアップとなります。

交換する部品

トランスミッション内部のクラッチの部品は主に以下のようなものがあります。

  • フリクションディスク(クラッチディスク)
  • プレッシャープレート(クラッチカバー)
  • クラッチレリーズベアリング

この3点は「クラッチの3点」セットと呼ばれオーバーホール時には交換が必須な部品となる消耗品です。

しかしこのクラッチの交換作業ではエンジンとトランスミッションを切り離しますからリヤ側のクランクシャフトのオイルシールやパイロットベアリングなどのついでの消耗品も交換したいところです。

私はいつもクラッチ3点キットと上記2点の合わせて5点キットを必ず交換するようにしています。クラッチ交換してリヤ側のクランクシャフトのオイルシールからオイル漏れしたらまたミッション脱着ですからね。。。ついでの部品を交換することは工賃の大幅削減につながりますので結果的にはユーザーさんのためになるのです。

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交換作業

さて実際にどんな作業か見てみましょう。

クラッチ交換する車はフィットです。

車の具体的な症状は「クラッチがつながるポイントがかなり手前にきている」といったものでした。

このままでは完全にクラッチをつなげることが出来なくなってしまいますのでオーバーホールとなった次第です。

ミッションを切り離しますから不要なものを取り外します。

ミッションオイルも抜いておきます。

ドライブシャフトの抜き取り

フィットの難関はリヤ側のエンジンマウントブラケットです。

スペースが無く工具が入りません...

やってみたけど無理!

サブフレームを一時落としてからブラケットを取り外します。

トランスミッション外すのは簡単

とりあえず清掃

レリーズベアリングはガラガラでした。シャリシャリ音の原因やレリーズベアリングの破損につながります。

クラッチカバーの当たり面も摩耗、変色しています。

ダイヤフラムスプリングとレリーズベアリグの当り面もチェック項目!

でも交換するんだけどね。

フライホイールは表面を軽くペーパーをあてて再利用とします。

汚れは清掃します。

パイロットベアリング、クランクオイルシールは交換。

パイロットベアリングは専用の工具で抜き取りです。

交換部品は社外品の設定が無くすべて純正品の使用となりました。

フィットのような大衆車は社外品が安いと思います。(今回はなかったけど)

スポーツカーは純正の方が安いことがあるみたいです。ケースバイケースで使い分けたいところですね。

取り付け時はクラッチのセンター出しといった作業をして取り付けます。これをやらないと一生ミッションはエンジンと合体しません!

もちろん専用工具です。

ノックピンのさびは

磨いておこう。これはエンジンとミッション合体の時にスムーズに入るためです。要は整備士のためです。

取り付けは逆の手順でやるだけです。

ドッキングして完成した後はミッションオイルも忘れずに入れる。

今回交換した部品です。

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作業時間

さて今回のクラッチ交換の作業時間は約5時間ほどでした。フィットと言う事もあって(FF車)時間はかかった方ですね。

車によってミッションの載り方が変わりますので、それによって作業時間は大幅に変わると思います。1日仕事なので整備工場によっては1泊2日、朝1入庫夕方納車といった感じでしょうかね。

交換費用

今回のクラッチの交換費用はどうだったのでしょう?

  • クラッチカバー:¥12200
  • クラッチディスク:¥9450
  • レリーズベアリング:¥2910
  • オイルシール:¥970
  • パイロットベアリング:¥500
  • MTF:¥1800
  • 工数:4.9

 

部品代工賃合計
 ¥27830 ¥41650 ¥69480

※レバーレートは¥8500で計算

トランスミッション脱着と言う事もあり工数が高めです。当然工賃も高くなっていしまいますね。

まとめ

クラッチのオーバーホール様子をレポートして来ましたがどうでしたか?大がかりな作業なので高額修理になりましたね。

このオーバーホール実施の前に、この金額をかける価値があるか、あと何年乗るつもりなのかなどカーライフのプランを立てて修理したいところです。

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