スタートボタンを押しても、カチッと音がするだけでセルモーターが回らずエンジンがかからない時がある!
そんな症状ですとまず疑うのが、バッテリー上がりですよね。バッテリーが弱っているとセルモーターが回らず、エンジンがかからないというのは車の定番トラブルですからね。
でもバッテリーを交換したけど症状が改善されない!なんて方もいるかも知れません。
それもそのはずです。原因はセルモーターにあるのですから。
実はN-BOX(JF1)のセルモーター不良は定番の故障になりつつあるのです。
そこでこの記事では「N-BOXのセルモーター不良」の車両を、実際に整備しましたのでレポートしていますね。
- 同じ症状だ!
- 修理費用はいくらくらい掛かるの?
- どんなな修理をするの?
など気になっている方はご覧ください。
セルモーターの良否判定
結論から言うと今回入庫した「カチッと音がするだけでセルモーターが回らず、エンジンが掛からない」症状の車の原因はセルモーターの部品不良でした。
実際にした整備手順としては以下の通り。
- 症状の確認
- バッテリーチェック
- 電源系チェック
- セルモーター単体チェック
点検結果セルモーターが最も怪しいので、セルモーターを外し単体チェックをすることにしました。
単体チェックすると、「カチッ」と音がするだけで、モーターがスムーズに回らないことが度々あったので、ほぼセルモーター不良で間違いないと判断しました。
しかし不安材料もあったんですね。
それは走行距離です。
現車の走行距離は2万キロとかなり少ない状態だったからです。
セルモーターの寿命は?
そこでN-BOXのセルモーター不良の情報をディーラーに問い合わせたところ、「セルモーターの作動回数が2万回を超えたら交換時期となる」と言う回答を得ました。
昨今の車にはアイドリングストップの機能があり、アイドリングストップするたびにエンジンを再始動するのでセルモーターには過酷な条件となっています。
なので車のECUにはセルモーターの作動回数を記憶しており、その作動回数が2万回を超えると交換目安と言う事なのです。
では入庫している車両の作動回数を診断機にてチェックしてみると、以下のように21310回となっており2万回を超えていました。
走行距離2万キロと少ない車両ではありますが、アイドリングストップの回数が多くセルモーターはメーカーが指定する交換時期が来てしまったという事らしいですね。
なんとも納得のいかない話ですが、セルモーター不良に間違いはないので交換をするとします。
セルモーターの交換
セルモーターの交換は手順は詳しく解説しませんが、30分~40分ほどあれば交換できる作業となっています。
マニュアルにはセルモーターの交換した場合は、スタータカットリレー(2つ)とオイルプレッシャースイッチの交換が指定されていますので同時交換をします。
そして新品のセルモーターに交換しましたら、診断機にてスターター作動回数をリセットします。
しかしスターター作動回数2万回でメーカー指定の交換推奨は、さすがに製品の耐久性が弱すぎますよね。
当然耐久性が弱い事実はメーカーは把握しているでしょうし、何か部品が対策されているかもしれないと思ったので、多少価格は高くなりますが今回は純正部品を使用することとしました。
案の定、部品番号は変更されており、何らかの対策をしている可能性が高く、寿命は延びているのではないかと思います。
今後台数が多いとリコールなどに発展するかもしれないですよね。
右折待ちの交差点で「アイドリングストップの復帰ができない」とか、かなり危険ですからね。
セルモーターの交換費用は?
さて執筆現在メーカーから保証延長やリコールなどの無償保証はありませんので、実費での修理となります。
今回かかった費用は以下の通り(スクロールします)
価格 | |
部品代 | ¥47610
|
工賃 | ¥11050 (工数1.3H) |
消費税 | ¥5866 |
合計 | ¥64526 |
¥64260と高額修理となってしまいました。
しかし「エンジンがかからない」と言った故障となりますので、修理は必須ですので、定期的な整備費用と割り切るのがいいですね。
セルモーターが回らない故障
最後、余談になりますが、今回はセルモーターが回らずエンジンがかからないといった症状で、その原因はセルモーター不良でしたが、他にもセルモーターが回らない原因はあるのでしょうか?
考えられるのは主に以下の4つです。
- バッテリー
- リレー
- スタートスイッチ
- セルモーター
バッテリー
当然ですがバッテリーが弱いとセルモーターは回りません。症状としてはカチッと音がするがセルモーターが回らないです。症状としては今回のセルモーター不良と区別がつかないほどです。
バッテリーテスターなどで調べ、劣化がある場合は交換が必要がですが、診断はプロの整備士に任せるのが無難でしょう。
スタートスイッチ
N−BOXの場合プッシュ式のスタートスイッチを採用していますが、このスイッチが故障しているとスターターリレーまで電源が行きませんのでエンジンは掛かりません。
スタートスイッチの交換が必要です。
リレー
スターターリレーがダメになると、セルモーターまで電源が供給されないのでエンジンは掛かりません。(セルモーターが回らない)
リレーの単体点検をすることで良否判定ができます。
セルモーター
そして今回の事例と同じセルモーター自体の不良です。
セルモーターまでの電源をチェックし、疑わしい場合はセルモーターの単体点検を実施して良否判定をします。