車が故障してしまい修理に出している車屋さんから
「エンジンの載せ替えが必要ですね。車の買い替えを検討してみては?」
などと言われたらショックですよね。
エンジンの載せ替えが必要になるケースでは
- オーバーヒートによりシリンダーが歪んだ
- オイル過小による焼付き
- タイミングベルトが切れてエンジン損傷
- エンジン内部の部品の摩耗による不具合
などがありますが、このような状況ですと「エンジン載せ替えもしくはオーバーホールの修理」、「車の買い替え」の選択をしなければならなくなります。
そなときに気になるのは
- 修理するとしたら総額いくらくらいかかるの?
- やっぱり乗り換えを検討した方がいいの?
など悩みが出るところです。
そこで今回はエンジンの載せ替え修理にかかる費用や、乗り換えとどっちがいいの?など車屋目線での見解をお話いたします。
- 今からエンジンの載せ替え修理を検討している人
- エンジン載せ替えと車の買い替えどちらかを迷っている人
まず結論からお話ししますが、エンジンの載せ替えをして修理するのはオススメしません。その理由は2つです。
- 載せ替え費用が高額になる
- エンジン以外の部品も寿命が近い
では載せ替え費用はどのくらいかかるのでしょう?
エンジン載せ替えにかかる費用は?
載せ替えにかかる総額
まず真っ先に気になるのがエンジン載せ替えるといくら掛かるの?ってとこですよね。
先日弊社でスズキのジムニー(JA22W)のリビルトエンジン載せ替え作業をしたので、それを元に載せ替えの費用を紹介しよう。
エンジン載せ替えの費用は概算ですが以下のようになりました。
エンジン載せ替えの内訳 | 費用 |
---|---|
リビルトエンジン | 25万円 |
消耗品 | 8万円 |
交換工賃 | 5.3万円 |
合計 | 38.3万円 |
なんと、軽自動車のエンジン載せ替えで約40万円もかかってしまいました。
詳しく解説していきますね。
エンジン費用
エンジン載せ替えの選択肢としては
- 新品エンジン
- 中古エンジン
- リビルトエンジン
主にこの3つがあります。
今回載せ替えをするエンジンですが、比較的価格が安いリビルトエンジンを載せ替える選択をしました。
リビルトエンジン | 25万円 |
リビルトエンジンとは中古エンジンの内部を洗浄後、各部品を測定して利用できるものは利用、消耗品は新品部品を使い組み上げたものでほぼ新品状態のエンジンです
新品エンジンはとても高価なので、載せ替え時にはリビルトエンジンの値段と比べて選択しよう。
今回は軽自動車のリビルトエンジンで25万円でしたが、排気量の大きいエンジンではもっと高額になります
ではオーバーホールとか中古エンジンという選択はないの?と思う人もいるかももしれません。
エンジンのオーバーホールは
- 専門的な技術や工具が必要
- 時間がかかる
- 高額になる
などの理由により、車検などをメインにしている整備工場では、ブローしたエンジンを1から組み上げるオーバーホールはしないことが多いです。
また中古エンジンは価格が安いメリットはあるがリスクが高い。
それぞれのメリットやデメリットがあるので「予算」や「あとどのくらいの期間乗るか」で決めるようにしましょう。
下記の表を参考にしてみてください。(スマホは左右にスクロールします)
エンジン載せ替え | 新品 | 中古 | リビルト | オーバーホール |
---|---|---|---|---|
リスク | 低い | ある | 低い | 低い |
時間 | 短い | 短い | 短い | 長い |
価格 | 高い | 安い | 安い | 高い |
消耗品にかかる費用と必要性
さてエンジンの載せ替えには消耗品の交換が必要です。
今回ジムニー(MT)の載せ替えにかかった消耗品の合計は約8万円でした。
消耗品 | 8万円 |
交換した部品はウォーターホース、エンジンマウント、クラッチキットなどですが交換が必要な理由としては劣化が進んでいるからです。
また同時作業により割安な工賃で交換できるメリットもあります。
今回作業した車は20年近く経っていましたので、ホース類はかなり劣化が進んでいました。
この写真のような状態のホースを見れば、交換の必要性がわかると思います。
またエンジンを下ろした状態では、普段アクセスができないところでも容易に交換作業ができるため、通常時よりも安い工賃で交換ができます。
なぜ工賃が高い?
さらにエンジンの載せ替え作業はかなりの工賃がかかることを忘れてはいけない。
交換工賃 | 5.3万円 |
その理由は単純に大掛かりで大変だからです。
作業手順としては以下のようになっています。
- 油脂類を抜く
- 補機類取り外し
- ミッション切り離し
- エンジンを下ろす
文章で書くと簡単に見えますが、すべての作業が終わるのに数日かかります。
では、エンジン載せ替えの工賃はどうやって算出するのでしょう?
それは「作業工数×レバレート」で決まります。
(作業工数は日整連により車種ごとに決められています)
今回のジムニーの件で説明すると、エンジン載せ替えの作業工数は5.3H、消耗品の交換を1H(かなり割安!)として、弊社レバレート8500円ですので以下のようになります。
(5.3+1)×8500=53550円
載せ替えの工賃ですが、レバレートは整備工場によって違い、作業工数は車種によって違います。
そしてさらに先ほど「交換が必要」といった消耗品などの交換工賃は、別途かかります。
今回の弊社の工賃はお得意様と言うことで、かなり割安な工賃にしていますのでディーラーなどでは恐ろしい金額になるかと思われます。
エンジン載せ替えのデメリット
これまでエンジンを載せ替え時の費用についてお話してきましたが、注意点もありますのでお伝えします。
エンジンを載せ替えて、消耗品を交換するとすべてリフレッシュされ「新車のように戻る」なんてイメージをお持ちではないでしょうか?
実はそんなことはないんですね。
新しくなる部品はエンジンと消耗品ですので、ミッション、エンジン廻りの補機類、足廻りは走行距離や年数に応じて劣化が進んでいる状態。
ということは、これらがいつ故障してもおかしくないということです。
ミッション本体、タービン、エアコンコンプレッサー、オルタネータ、スロットルボディ、各センサーなどの故障は高額になリます。
車はエンジンが壊れるほどの状態ですからエンジン載せ替え後にも高額な修理費用がかかる可能性が高いってことを忘れてはいけません。
車の買い替えも検討するべき
さてここからは車屋歴約20年のわたし個人的な見解をお話しますね。
「車の買い替え」か「エンジン載せ替え」かを迷われている方は参考にしてください。
結論は出ているようなもんですが、
- 思い入れのある車なのでお金に糸目をつけず直して乗りたい
- レアな車なので直したい
などの特別な理由がない限り、車の買い替えを強くおすすめしたいです。
今回ジムニーのエンジンを載せ替え作業しましたが、修理には綿密な打ち合わせをしました。
結果、「思い入れのある車なのでお金はいくら掛かってもいいので直したい」という意向で修理する運びになったのです。
ですがエンジンを載せ替えたからと言って、今後故障しないわけではない。
エンジンを載せ替えたあとも、「いつ何が壊れるかわからないリスクが有る」と言うことを認識しなければなりません。
エンジン載せ替えを本気で検討している場合は、40万円以上をかける価値があるのかをよく考えてくださいね。
このような覚悟がない方は、素直に乗り換えを検討したほうが長期的にみて経済的と言えるでしょう。
最近の車は燃費が良かったりしますので、もっと早く乗り換えればよかった!ってお客さんも多いです。
エンジン故障した車も売却できる
しかし突然のエンジンの故障で「新しい車を買う余裕がない」という方も多いかとおもいます。
そこで車購入資金を増やすアドバイスをいたします。
それは「エンジンが故障した車」を高く売却することです。
あなたは「壊れた車は売れないのでは?」と思っていませんか?
もしくは車屋さんから、「下取り価格は0円です。むしろ廃車手続きするのにお金がかかるよ。」なんて言われているかもしれませんね。
でも実はエンジン故障などの不動車って普通に売れるんです。
廃車や事故車の買取専門店の ナビクル廃車買取では、ボロボロの車でも買い取ってくれます。
もちろん年式が新しかったり、人気車だったりすると価格はそこそこ高いです。
たとえエンジンが壊れていたとしても、部品取りにしたり、直して輸出したりと利用価値はあるんですね。
我々車屋は、新車や中古車販売して利益を出し、無料で下取りした車を売却してダブルパンチで利益を出しているのが現実です。
少しでも次の車購入資金を増やしたいなと思うのであれば、無料で下取りしてもらうのではなく、廃車買取専門店で買い取ってもらうようにしましょう。
まずはサクッと無料の査定依頼して見積もりを出してもらいましょう。
\ 査定はもちろん無料 /
まず見積もりをすることで、次の車にかけれる頭金などがわかりプランが立てれますよね。
「下取りなんてあるわけない!」っていうのはあなたの思い込みですよ。予想外に高く買い取ってもらえるかもしれませんし、そうなったら次の車の資金にできますよ。
まとめ
今回はエンジン載せ替えにかかる費用やデメリットをお伝えしてきました。
載せ替えにかかる費用は軽自動車で約40万円でした。
ですが、エンジン以外のところは故障リスクを背負ったままなので、載せ替えるには慎重な判断をしましょう。
個人的な考えではありますが、エンジンを載せ替えるのにはかなりの費用がかかるため、特別な理由がないのであれば買い替えを検討するのが無難です。
今乗っている車に固執するのではなく長期的な視点で見るのがいいですよね。
参考になりそうな記事を貼っておきます。