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CVTから異音!修理は可能?気になる修理費用は?

CVTから異音がしたら不安になりますよね?

  • 修理はできるの?
  • 修理費用はいくらかかるの?

って真っ先にお金がかかるのではないかと心配になっちゃいます。

そこでこの記事では現役の自動車整備士が「CVTの異音」について詳しく解説していきます。

CVTからのウィーンやガラガラといった異音で不安に思っている方はご覧ください。

下記の目次をご利用ください。

目次

CVTの異音の原因となる部品は?

画像引用:ウィキペディア

車のCVTとは(Continuously Variable Transmission)と呼ばれる無段階変速機です。

CVTの異音の原因となる主な部品には、ベルト、プーリー、ベアリング、油圧バルブ、バルブボディなどが挙げられます。

CVTの異音の原因は、これらの部品の劣化や摩耗によるものが多く、部品が磨耗したり、傷ついたりすることで異音が発生します。

また部品の不良ではなくても、プーリーとベルトが駆動しているわけですから、異常といえない範囲での摺動音は少なからずしています。

ではCVTの異音種類によってどんな特徴があるのでしょう?

CVTの異音の種類とその特徴とは?

CVTの異音にはどんな種類があるのか、またその特徴を以下で詳しく見ていきましょう。

「クー」という犬が鳴くような音

「クー」と犬が鳴くような音は、ホンダの軽自動車(N)シリーズの初期型によくある症状です。

発生条件は無負荷減速時で、「クー」と音が出ます。

これはCVTのバルブボディという部品内のオイル通路にエアが噛むことが原因。

CVTnoバルブボディ

画像出典:Amazon

オイル交換では直らずバルブボディの部品交換が必要になりますが、再発もするようなので設計上の問題、車の持病と割り切るしかないようだ。

なお現行モデルではこういった症状は確認はされていない。

「ブーン」「ウィーン」「ヒューン」という異音が発生する場合

「ブーン」「ウィーン」「ヒューン」という異音は、CVTの異音の中でも最も多い異音の1つで、うなり音やモーター音と表現する方も多いですね。

CVTは大きく分けて「金属ベルト式」「チェーン式」「トロイダル式」の3種類ありますが、金属ベルト式が主流。この金属ベルトの摺動が異音の原因であることがほとんどです

CVT(無段変速機)は、MTやATなどの変速ギア(歯車)がなく、2つひと組のプーリー(滑車)と、それらを結ぶ金属製ベルトの働きによって変速を行います。

画像引用:ウィキペディア

この「ブーン」「ウィーン」「ヒューン」という音は、エンジンやCVTが温まってない冷間時に異音が発生することが多いです。

冷間時というのはCVTフルードが完全に下がりきっており、スチールベルトとフルードが十分に馴染んでいません。

油温が低いのでCVT内を循環するオイルの粘度が高く、金属ベルトやプーリーなどにオイルが回りづらく一時的に潤滑不良となり、摺動音が大きくなりやすいです。

暖気不足が異音の主な原因です。

しかし原因は1つとは限らないのが異音の厄介なところ。暖気後でも異音が止まらない場合、別に原因がありますよね。

CVTフルードを長期間交換していなかった場合は、オイル劣化によるものなどが考えられますし、金属ベルトの摩耗が進んでいる可能性もあります。逆に音の大きさによっては異音ではなくCVTの特性と言えるかもしれません。

このように「ブーン」「ウィーン」「ヒューン」という異音の原因は多岐にわたるため、判断が難しい症例となります。

異常な音なのか、正常の範囲なのかは、知識や経験の豊富な整備工場へお任せするのが無難だろう。

しかし次のような異音は明らかに異常で、即修理が必要です。

ガラガラという異音が発生する場合

ガラガラという異音が発生する場合、CVTの異音の中でも特に危険なものの一つです

このガラガラという異音は、CVT内部の部品が破損している場合や、部品同士の接触が起きている場合に発生することが多く、修理が必要となります。

金属同士の擦れる音や振動音が主体となるため、非常に不快な音と感じられます。

一般ユーザーが音を聞いても明らかに異常がわかるはず。そのまま走行すると突然走行不能になる可能性があり危険です。

異音の種類のまとめ

CVTの異音には様々な種類があり、それぞれの特徴が異なります。

異音が発生した場合には、原因をしっかりと把握し、適切な対処方法を行うことが重要です。

そのためにはまずは修理工場で一度診てもらうのがベストです。

CVTの異音の修理費用はどのくらいかかる?注意点も解説

実際にCVTの異音を確認した場合は、「高額な修理になるのではないか?」と心配する方も多いだろう。しかし無料で修理できるパターンもあるのでそちらからご紹介しよう。

無料修理できる可能がある

自動車メーカーから、一部車種においてCVTの異音の無料修理が行われている場合があります。

対象車種、補償期間、修理内容などはメーカーによって異なりますが、メーカーのHPをチェックするかサポートセンターに問い合わせて対象かどうか確認しましょう。

ホンダのN-BOXに関してはメーカーの方からリコールや保証延長になっているケースもあるのでこちらを確認したい。

N-BOX、N-BOX Customのリコール

自動無段変速機(CVT)のトルクコンバーターにおいて、ロックアップクラッチダンパースプリングの成形が不適切なため、ロックアップ機構作動時に過大な応力がかかり折損することがあります。そのため、折損したスプリングがトルクコンバーター内部に脱落し、異音が発生し、最悪の場合、トルクコンバーター内部に噛み込み、発進時等にエンストして走行できなくなるおそれがあります。

画像引用元:N-BOX、N-BOX Customのリコール

またN-BOX、N-WGN、N-ONEではリコールではなく保証延長になる場合もあります。保証延長の内容は以下の通り

旧型N-BOXなど14車種の無段変速機ドリブンプーリーベアリングの保証期間延長

無段変速機内部の加工片が偶発的にドリブンプーリーベアリング内部に噛み込み、ベアリング内部の軌道面が剥離して異音が発生する場合があります。

弊社にも以下のような車が入庫した例があります。

症状としては、少し車を前に動かしただけで「ガガガガッ」もしくは「ガラガラ」など、フロント左側から金属同士が擦れ合う音がしていました。

本能的に、これは車を動かしてはダメ!とわかるくらいの異音ですが、出ている個所は明らかにCVT本体からで、これは修理費用が掛かりそうだな!と感じました。

調べるとメーカー側からリコールが出ていることがわかり、無償修理で直りました。

なのでホンダのN-BOX、N-WGN、N-ONEに乗られている方はリコールまたは保証延長の該当車種ではないかの確認をまずはしてみてください。

 CVTの異音の修理費用の相場とは?

保証が切れている車や、メーカー側からリコールや保証延長がない場合は、当然実費での修理となります。

気になるのはその修理費用ですよね。

CVTから異音が出ており、何らかの修理が必要な場合はCVTの分解修理はほとんど行わず、新品CVTやリビルトCVTなどの完成品の載せ替えという作業になります。

これは一般の整備工場やディーラーでも同様の対応になります。

なので載せ替えにはCVT本体の料金と載せ替えにかかる工賃が修理費用となり、軽自動車の場合でも30万円~」と、とても高額になります。

CVTフルード(オイル)交換や添加剤でCVTの異音は直る?

CVTの載せ替え費用が高額なので、何とか安く異音は直せないかな?と思われる方も多いはず。

そこでまず思いつくのはCVTフルード(オイル)の交換や添加剤の使用ではないでしょうか?

CVTの異音が発生した場合、CVTフルード(オイル)交換や添加剤を使うことで改善される可能性があります

CVTフルード(オイル)には摩耗を抑えるための添加剤が含まれているため、CVTフルード(オイル)交換によってCVTの異音が改善される可能性があります。

その場合メーカー指定の純正CVTフルード(オイル)を使用することが好ましい。

また、社外品の添加剤を使用することで、CVTの内部の部品により潤滑効果を与えることができます。

しかし、添加剤には注意が必要です。不適切な添加剤を使用すると、CVTの内部に悪影響を与える可能性があるため、専門家のアドバイスを仰ぐことが重要です。

そして、CVTフルード(オイル)の交換や添加剤の使用は、必ずしも有効とは限りませんので過度な期待はNGです。

CVTの異音が発生する原因によっては、オイル交換や添加剤では全く改善されない場合があります。

安く修理できる?

異音が出ているCVTに、CVTフルード(オイル)交換や添加剤の使用で全く効果がない場合は、やはりCVTの載せ替えが必要になってきます。

載せ替え費用を抑えるには2つの選択肢がある。

  1. リビルト品の利用
  2. 中古品の利用

まず新品のCVT交換では高額修理になるので、リビルトCVTを使用することで部品コストを抑えることができます。

リビルトCVTとは既存のCVTを分解し、各部点検し、消耗品などを新品に交換して組まれた再生品です

リビルトCVTは品質チェックもなされており、保証もあるので安心。

新品とほぼ同等の商品ですが、値段は安いので我々整備工場では頻繁に利用します。依頼する整備工場にリビルトCVTでお願いしたい旨を伝えれば修理金額は安くできるでしょう。

さらに中古品のCVTを使用すれば、載せ替え費用はグッと抑えられます。しかし中古品は無保証なのでいつ同じような故障になるかもしれません。こういった故障リスクも考えておく必要がある。

CVT載せ替え後の近いうちに車を乗り換える予定があり、「とりあえず乗れるように直したい」といった事情であれば中古品の利用もありだろう。

CVTの載せ替え後も当分乗り続けるのであれば、リビルト品を選択するのが好ましいですね。

 修理業者の選び方と注意点とは?

修理業者を選ぶ際には、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

信頼できる行きつけの車屋さんがない場合は、グーグルマップで最寄りの車屋を検索してみよう。そこには過去に利用した人の評判や口コミが書かれていますので、初めて依頼する場合は参考になります。

修理業者によっては、無料の診断サービスを提供している場合があります。

無料の診断サービスを受け、CVTの載せ替えにかかる見積もりを提示してもらい、トラブルを未然に防ぐためにも、しっかり修理の打ち合わせをしたいところですね

載せ替え修理をしない選択もある

しかしCVTの異音修理にはCVTの載せ替えが必要となりますので、前述したように30万円~の高額修理になります。

年式や走行距離によっては車の買い替えを検討してもよいだろう。

なぜならCVTが壊れるということは、その他エンジンなどもいつ壊れてもおかしくない状態だということです。

CVT30万円かけて直したのに今度はエンジンがダメになった!なんて故障の負のスパイラルになる可能性も否定できない。

その辺は「修理か買い替えに悩んだ時のチェックポイント」に記事を書いていますので、ご確認ください。

CVTの異音の予防方法

CVTの異音を予防するには、日ごろの運転の見直しをしよう。

急発進、急加速、急ブレーキ、長時間の高速走行、坂道でのスピード維持などは、CVTに負荷をかけて、各部品の摩耗を促進させ異音の原因になります。

運転時には、安定した速度での巡航、スムーズなアクセルワーク、ブレーキ操作を心がけ、不必要な負荷をかけないようにしましょう。

またCVT異音の予防としては、CVTオイルの交換も重要です。

メーカーによっては10万キロ交換や、20万キロ交換が目安とされていますが、実際にはCVTフルードは汚れています。

CVTフルードの汚れや劣化により性能が低下し、CVT内部の部品の摩耗を促進させてしまいます。5万キロ前後でメカニックと相談してCVTフルードの交換を検討してみよう。

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