エンジンルームから異音がするとのことで入庫
ここではパレットのエンジンルームからの異音(エアコンコンプレッサー不良)修理の様子と修理金額を書いています。エンジンルームから聞こえる異音の原因は様々です。その1例としてご覧ください。
車両データ
- 車種:スズキ パレット
- 型式:DBA-MK21S
- 年式:H24
- 距離:8万キロ
異音の確認
異音はすぐに確認できました。
これはこのまま乗ってはダメ!って感じの大きな音でしたね。
(大きな音が出ますのでご注意ください)
↓
とりあえずエアコンコンプレッサー付近が怪しいのでベルトを外してチェックしてみます。
異音の原因
エアコンベルトを取り外し、エンジンをかけると音は止まりましたので、コンプレッサーを触診でチェック!すると原因はすぐにわかりました。
エアコンコンプレッサーのプーリーがガタガタ。ココが悪いのは間違いないですね。
エアコンコンプレッサーのマグネットックラッチを外してみようと思います。
マグネットクラッチとは以下のようなものです。
エアコンのコンプレッサーの作動を断続するために使われている電磁クラッチ。 エンジン、クランク軸のプーリー回転が、ベルトでコンプレッサー駆動用プーリーに伝えられ、プーリーの中に組み込まれている電磁クラッチに電流が流れると、電磁力でプーリーとコンプレッサー側プレートがつながってコンプレッサーを駆動する。
コンプレッサーから「アーマチュアプレート」の取り外し
スナップリングを外して
プーラーで「クラッチプーリー」を外します
クラッチコイルヤバいことになっています!
写真左のクラッチプーリーのベアリングがガタガタでダメなんですけど、その熱でクラッチコイルもダメージ受けているんですね。
と言う事で今回は、「マグネットクラッチASSY」を交換することにしました。
マグネットクラッチ交換修理
新品の部品は「マグネットクラッチASSY」の設定があります。
ASSYとは
パーツ単体ではなく複数が組み合わされた構成部品(ユニット)
のことです。こんな感じです↓
組み付けは取り外しと逆の手順です。
マグネットクラッチは位置決めの凹凸があります。
スナップリングをセット
プーリーも同様の作業です。ベアリングは軽く打ち込めば入ります。最後のアーマチュアプレートはシックネスゲージで隙間を測定し、シムで調整が必要です。
シムは7番で、この枚数を増やしたり減らしたりしてアーマチュアプレートの隙間を調整するんですね。
この隙間が広いとエアコンONの電源を入れても、クラッチがつながらずエアコンが冷えないと言う事になります。
ちなみにスズキの車は、「アーマチュアプレートのクリアランスが大きくエアコンが作動しない」と言った故障は定番です。
そして現車はカルソニック製のエアコンコンプレッサーです。スズキ車ではこのカルソニック製とデンソー製があります。
クリアランス調整までできたらベルトを張って出来上がりです。
修理費用
今回はエアコンガスを抜かずに車上で交換作業しましたので、通常の工数より安くしています。(通常はガスチャージを含み2.2hなので工賃は¥18700となります)
部品代 | ¥17000 |
工賃 | ¥10200 |
合計 | ¥27200 |
※レバーレートは¥8500で計算
パレット異音修理のまとめ
3万円弱の修理でしたが、エアコンガスを抜かないと交換できないタイプのものは、4万円以上の高額修理となりますね。
同じような音が出ているかたはそれなりの修理費の覚悟が必要です。
またパレットではエバポレータからガス漏れするといった故障も良くありますので、参考までに読んでくださいね。
また車種はバモスですが、ラジエータファンモータが動かないなんて故障もあります。