今回お客様のご依頼によりCVTオイル(フルード)を交換しましたので、作業の様子と交換方法、交換費用などを書いていきます。
車種情報
- DBA-CC25
- ニッサン セレナ
- H20年式 6万キロ
CVTとは?
CVTとはコンティニュアスリー・バリアブル・トランスミッションの略でトランスミッションの種類の一部です。CVTのほかにAT(オートマチックトランスミッション)がよく聞くところです。
ATは1速、2速と変速するのに対し、CVTは無断変速機といわれ金属ベルトとプーリーで動力を伝えていますのでATのように変速ショックが無いのが特徴です。
CVTの主な役割はエンジンの力をタイヤへ伝えるというものです。
内部は機械なのでオイルが入っています。CVTオイルやCVTフルードと言ったりします。
CVTオイル(フルード)を交換する理由
CVTオイル(フルード)の主な働きは次の通り
- ミッション内部の部品の潤滑
- ミッション内部の冷却
- 作動油としての油圧
CVTオイル(フルード)には上記のような働きがありますが、年数や距離を重ねるごとにCVTオイル(フルード)は劣化していきます。
オイルが劣化する理由としては以下の原因があります。
- 酸化によるもの
- ミッション内部の金属辺による汚れ
- 熱による劣化
エンジンオイルと同様にCVTオイルも劣化してきますから、上記のような働きを100%発揮してくれなくなります。
汚れた(劣化した)オイルを使用し続けると、ミッションにダメージを与えかねないので、定期的にCVTオイルを交換することが必要になってくきます。
CVTオイルの交換時期は車種によりますので確認が必要。20万キロ無交換の指定となっているものもあります。
CVTオイル(フルード)交換方法
ここでは今回交換をしたCC25セレナの交換の様子を見てみよう。
CVTオイル(フルード)の種類
対象車両は「エクスロニックCVT」といわれるミッションが搭載されており、指定オイルはニッサンのCVTフルードNS-2です。
オイルの種類を調べるにはレベルゲージで判断します。
ちなみにレベルゲージはロックされていますのでそのまま引き抜いても外れません。
外し方はロック部をドライバーなどでレベルゲージ側へ押しながら上へ引き抜きます。
CVTオイル(フルード)交換
CVTオイル(フルード)の抜き取りはオイルパンのドレンボルトを外して抜きます。(エンジンオイルと同じ要領です)
抜いたCVTオイル(フルード)量を量ります。
約4ℓでした。
この車の規定量は8.3ℓ(2WD)なので約半分抜けていますね。
CVTフルードチャージングパイプ(レベルゲージが刺さっていたパイプ)からCVTオイル(フルード)を入れます。
今回は抜いた分の4ℓ。
CVTオイル(フルード)を入れたら量の点検をして終了です。
マニュアルではCVTオイル(フルード)がキレイになるまで上記作業を繰り返す様になっていますが、予算などの関係で今回は半分交換終了とします。
本来は2回くらいするのがイイと思います。
CVTオイル(フルード)量点検方法
CVTオイル(フルード)量の点検は以下の通りです。
- 水平な状態でエンジンをかける
- ブレーキを踏みシフトレバーをP~Lまで動かしてPまで戻す
- レベルゲージを抜いてCVTオイルをふき取り正規の位置まで戻し量を点検する
※注意
- レベルゲージはロックしない位置(180度回転)で点検です。
- CVTオイル(フルード)のふき取りはペーパータオルを使用(糸くずなどが混入しないように)
- CVTオイル(フルード)が冷えているとき(20~30°)COLDの範囲内
- CVTオイル(フルード)が温まっているとき(50~80°)HOTの範囲内
COLDとHOTとは下の画像で説明します。
切欠きから切欠きの間がCOLDとなり、斜線の間がHOTとなります。
車の状態(CVTオイルの温度)によってオイル量の測定の基準が違ってくるので注意が必要です。
CVTオイル(フルード)交換費用
通常純正のCVTオイル(フルード)を使用するのが好ましいですが、弊社みたいに各メーカー取扱いがある小さな整備工場では全種類のCVTオイル(フルード)を在庫することは現実的ではありません。
そこで今回は汎用のオイルを使用しました。
アイシン製のCVTオイル(フルード)を使いましたが、CVTを製造している会社のものなので品質的には問題ないです。
CVTオイル(フルード):4ℓ×¥1500
交換工数:0.4
部品代 | 工賃 | 合計 |
¥6000 | ¥3400 | ¥9400 |
今回使用した CVTオイル(フルード)はこちらです。
やや高いけどワコーズのCVTオイル(フルード)は高性能でオススメです。
※車種によっては対応していない場合がありますので適合確認をして購入してくださいね。またCVTオイル(フルード)の交換方法は車種によて異なります。注意が必要です。