砂浜やぬかるみなどでタイヤがハマってしまい、車が出れなくなったことをスタックといいますが、スタックした時の脱出方法を紹介します。
スタックしたらしてはいけないこと!
具体的な脱出方法の前に、まずは注意点としてスタックした時にやっていはいけないことから紹介します。
空転を繰り返さない!
タイヤがスタックした場合、なんとか出れるのではないか?とアクセルを踏み込みたくなりますが、空転を繰り返すとどんどん周りの地面が掘り起こされてしまいます。
こうなるとより脱出が困難になりますので空転を繰り返さず、次の脱出方法を試してください。
周りの人に助けてもらう
車がスタックしてしまったら、周りの人に助けを求めよう。1人でなんとかするよりも沢山の人数で解決する方が早いです。
車を押してもらう
ドライバー以外に人がいる場合や、周りに人がいる場合は車を押してもらいましょう。
車を押す方法ですが、なるべく力が伝わりやすい場所を押してください。バックドアのガラス、テールレンズ付近の角、フレームなど、押しても強度がありそうな場所を押しましょう。
バックドアの中央を押すと力が伝わらないばかりか、バックドア自体が凹んでしまうので注意です。
また掛け声をかけて一気に力を入れるようにし、ドライバーはそれに合わせてアクセルを開けます。この際ハンドルは真っすぐにしておきましょう。
牽引ロープで車を引っ張る
また牽引ロープを持っている場合は、車を引っ張ってもらいましょう。
牽引ロープを掛ける場所(フック)は、フロントバンパー下側のフレーム部にある場合や、フロントバンパーのカバーを外して牽引フックをねじ込む仕様があり、車によって違います。取扱説明書でチェックしてください。
牽引フックは車載工具入れなどにあります。
自分で出来る脱出方法
周りに人が居ないような場所であればロードサービスを呼ぶか、自分で脱出するしか無い。まずは自分でできる範囲でやれることはやってみよう。
四駆の車は四駆とデフロックをする
ぬかるみによるスタックの脱出は二駆より四駆の方が有利です。
四駆に乗っている方でも通常の街乗り走行は二駆になっている場合がほとんどです。ぬかるみはまった場合などは四駆に切り替えます。
またデフロックの機能がある車両はそれを選択します。デフロックはデフをロックしてタイヤの空転などを抑えぬかるみなどからを脱出する機能です。
デフロックは通常走行時に使用するとデフなどの周辺部品の破損につながります。取扱説明書をしっかり読んでください。
スタックしているタイヤ周辺の土を取り除く
まず、スタックしているタイヤの前後の土を堀出し傾斜を緩やかにしましょう。
これだけで脱出できる確率が上がります。スッコップなどがない場合は木の棒などを使いできるだけタイヤの周りの土を取り除いてみましょう。
前進とバックを繰り返す
前進とバックをこまめに繰り返し脱出を試みよう。
ブランコのようなイメージで反動を利用します。車の反動を利用することで脱出できる場合があります。注意点はタイヤが空転しないようにアクセルワークすることです。
タイヤのハマりが浅い時に有効ですが、深くハマって出れそうにない場合は他の方法に移行しよう。
ジャッキアップしてタイヤの下に物を置く
タイヤが空転し地面が掘れている場合はジャッキアップをして、タイヤの下に物を置きましょう。そうすることでタイヤの回転力が地面に伝わり脱出できます。
具体的には大きめの布がベストですがそれに代わるものならなんでもOKです。無い場合は車のフロアーマットで代用しましょう。
ジャッキアップ時はそもそも不安定な場所なので、そのままではジャッキ自体が地面に埋もれていきます。
それを防ぐためにも石や板など硬いものを敷いてジャッキアップしましょう。
空気を抜く
またタイヤの空気を抜くことも効果的です。タイヤの空気を抜くことで地面との接触面が増えます。抵抗が増えタイヤの回転力が地面に伝わりやすくなるということです。
しかしタイヤの空気を抜きすぎないようにしましょう。空気を抜けば脱出しやすくはなりますが、脱出後に走行できなくなると本末転倒。
車の空気圧は200kPa~300kPaと車によって違いますが、空気を抜く場合は100kPaまでにしたほうが無難です。100kPaであれば十分に走行できますので、脱出後に適正値に戻せば問題ないでしょう。
空気の抜き方は、タイヤエアバルブの虫の中をドライバーのような先の細いもので押すだけです。
自分で対処できない場合は
上記で自分でできる脱出方法を紹介しましたが、やってみたけどうまく出来ないという方はロードサービスを呼びましょう。
保険会社のロードサービスを呼ぶ
ほとんどの自動車保険には無料のロードサービスが付帯していますので、活用しましょう。補償の内容は各保険会社によって違うので確認が必要です。
損保ジャパン日本興亜のロードサービスを例に挙げると、脱輪などの車のトラブルで現場の作業が30分以内であれば無料となりそれを超えると有償修理になるという条件です。
スタックの救援では30分以内で済むはずなので、迷わず呼ぶのがいいかと思います。
詳しくは契約中の保険会社の情報をチェックしましょう。
JAFを呼ぶ
またJAFの会員であれば無料で対応できる範囲なので、こちらも迷うわず呼ぶのがいいです。
そして保険会社にロードサービスがない場合や任意保険未加入の場合はJAFを呼ぶ選択となります。
基本工賃で約1万円+かかった時間により料金が加算さていきますが、これまでに紹介した方法でスタックを脱していないようであれば有料でも呼ばざるを得ないでしょうね。
自動車保険のロードサービスより幅広く対応してくれるのがJAFなので、この再入会を検討するのも良いでしょう。
もしものための準備
ただ保険のロードサービスにしろJAFにしろ来るまでに時間がかかりますので、自分でできる範囲のことはやっておきたいですね。
最後にもしもの時のために車に持っておきたい便利グッズを紹介します。
スタック脱出ラダー
スタック専用の脱出アイテム。雪路、砂路、泥沼で利用できます。
牽引ロープ
1本持っておけば牽引をお願いできます。