症状:ヒーターの暖かい風が出なくなった!
今回はヴィッツのヒーターのトラブルの修理について書いています。
車両データ
- 型式:TA-NCP13
- H12年式 8万キロ
- トヨタ ヴィッツRS
ヒーターが効かないトラブルを考える
まず、ヒーターが効かない(温風が出ない)原因となるものは、どんなものがあるのでしょう?
考えれる故障は次の通り
- サーモスタットの開きっぱなし
- ヒーターコアの詰まり
- エアミックスの切り替え不良
- エアコン系コンピュータの不良
さらッと考えたらこんな感じでしょうか?
簡単に説明してみましょう。
サーモスタットの開きっぱなし
サーモスタットとは、冷却水の水路を制御するもので水温の温度を調節する役目を持ちます。
冷却水の水温が低いうちはエンジン中心に冷却水を循環させます。これでドライバーはすぐにヒーターが出るようにすることやエンジン自体を早く温めるなどの理由があります。
冷却水が温まってくるとラジエーターまで循環させ冷却水の温度が下がるように調節します。
出典:カーライフサポートネット
画像のサーモスタットは中身にワックスが入っており、水温が上がると弁が開きラジエーターへと冷却水が循環するようになります。
現在は機械式ではなく電動式のものも多く採用されており、より細かく制御できるようになっています。
このサーモスタットが閉じるべき時に開きっぱなしとなっている(故障している)場合、エンジンをかけてもヒーターが温まるまでかなり時間がかかり室内は暖かい風がほとんどでなくなります。
ヒーターコアの詰まり
ヒーターコアとは車内の暖房のための放熱機器です。
温められた冷却水がヒーターコア内を流れていて、ヒーターコアにファンで風を当てると温風が出てくる仕組みとなっています。
出典:ダットラ めざせ30万㎞!
このヒーターコア内が詰まると冷却水が循環しないため、ヒーターが効かなくなります。
エアミックスアクチュエーターによる切り替え不良
エアミックスドアと、はさきほど説明したヒーターコアからの温風と、エアコンで冷えた冷風を室内で適温になるように切り替える装置で、実際にはエアミックスモーターが動力となり切り替えています。
エアミックスドアとかエアミックスダンパーと呼ばれることもあります。
エアミックスモーター不良になれば温風、冷風の切り替えができなくなり、どちらかの固定となってしまうことが多いです。
エアコン系コンピュータの不良
オートエアコンではエアコンのコンピュータが全ての制御をしていることが多いのですが、ここが故障するとエアミックスの切り替えの信号が出ていないなんてことがあり、温度調節が出来なかったりします。
「ヒーターが効かない」診断
と言う事でこれらを踏まえ診断してみます。
サーモスタットやヒーターコアの不良は、エンジンルームから実際にヒーターコアへ行っているウォーターホースを触って確認します。
現車はINとOUTのホースどちらも十分に温まっており、ヒーターコアの詰まりも無し、サーモスタットの開きっぱなしも無しと判断しました。
と言う事で室内側の不良と想定してエアミックス周辺をチェックします。
エアミックスドアを動かすエアミックスモーターはメーターの奥です。
画像中央の黒い箱がエアミックスモーターです。
ここで室内の温度切り替えをしてみますが、エアミックスモーターは反応なしなので温風が出ない理由はここでしたね。
エアミックスモーターが悪いのか、制御するコンピューター側が悪いのか判断しますが、エアミックスモーターまで信号が来ていましたのでエアミックスモーター不良と断定しました。
エアミックスモーター交換修理
交換はビス4本とロッドの入れ替えをすれば簡単に交換できます。
エアミックスモーター交換費用
今回の工賃は診断料と交換費用込みの値段になっています。
部品代 | 工賃 | 合計 |
¥6200 | ¥6400 | ¥12600 |