症状:「信号待ちなどでエンジンの振動がするので見てほしい」
こんなご要望でしたので試乗しましたら症状はすぐに再現しました。
- DBA-ZRR70G
- トヨタ ノア
- H23年式 7万キロ
アイドリング不調の故障診断
まず診断機にてコンピュータがなにか拾っていないかチェックします。
「アイドル不安定」とでました。
その他故障コードがありましたが類似のものでした。
車両側も不調だと判断しているみたいです。
修理に取り掛かる前に情報収集をします。
- リコール
- 改善対策
- サービスキャンペーン
- 保証延長
上記該当あれば、無償修理できるので最初に確認します。
払わなくてもいい修理代金をお客さんが負担する羽目になったり、お客さんに請求できなくなったり、私がしなくてもいい作業をしないようにと様々です。
結果この車は対象外でしたので通常修理します。
アイドリング不調の原因は色々ありますが電子制御のスロットルボディの場合、ここが汚れて正常な空気の量になっていないと言う事が多いです。
スロットルボディの清掃
この車両の場合はアイドリング不調は定番みたいですね。
電子制御のスロットルボディを簡単に説明すると、エンジンの爆発に必要な空気の量をアイドリングから加速まですべてスロットルボディ内にあるバタフライで調整しています。
シビアな調整が必要なためスラッジなどの汚れが付くと、空気の量が少なくなります。
電子制御ではないスロットルボディは、ISCVのようなアイドルコントロール用のバイパス通路が設けてあり、アイドリングを制御しています。
こちらもISCVが汚れるとアイドリング不調になります。
パッと見はわかりずらい?のでマイナスドライバーで撮影のためだけに汚れを取ってみます。
結構汚れています。このくらい汚れているとアイドリングが不調になる可能性大ですね。
洗浄は専用の洗浄剤を使用します。
ブラシも付属している柔らかい材質のものを使用します。
使用した洗浄剤はワコーズのスロットルバルブクリーナーですが、これはスロットルボディ内をコーティングしてあるモリブデンを落とさない洗浄剤です。
モリブデンを落としてしますと空気の量が多すぎになり、ハンチングなどの原因になります。
またモリブデンコーティング再施工となり、余分な作業と余分な出費となってしまいますので注意が必要です。
間違ってもペーパーなどでゴシゴシしたりしてはダメですよ!
こんなに汚れが取れました。
洗浄が終わりましたらアイドリングの再学習をします。
アイドリングの再学習
アイドリングの学習は簡単です。
バッテリーのマイナス端子を外して(10分程度)再度取り付けしエンジンをかけてアイドリングを続けます。最初はアイドリング不安定ですが徐々に学習されていき正常なアイドリング700rpm前後で安定するようになります。
スロットルボディ清掃費用
今回は12ヶ月点検のついでと言う事でやや安めの値段になっています。
部品代 | 工賃 | 合計 |
0 | ¥5100 | ¥5100 |
弊社の場合の値段ですが参考にしてください。
今回使用したクリーナーです。