こんにちは、整備士ノートです。
「バモスのドアロックが勝手にかかる」「キーレスで解錠したのに、バックドアを開けている途中でロックされる」
今回は、このような症状で入庫したホンダ・バモスホビオの修理事例を紹介します。
お客様から「ドアロックが勝手にかかってしまう」と相談を受けました。
詳しく話を聞くと、キーレスで解錠してバックドアを開け、荷物を出し入れしている途中で再びドアロックがかかるという症状でした。
診断したところ、バックドアラッチに組み込まれた開閉検知スイッチの不具合が原因と判断しました。
バックドアを開けても車両側が開放を認識できず、自動再ロックが働いていたと考えられます。
今回はバックドアラッチを新品に交換しました。修理費用は8,910円(修理当時)です。
実際の修理写真を使いながら、症状の原因、ルームランプによる確認、開閉スイッチの故障診断、修理費用を紹介します。
- 車種:ホンダ バモスホビオ
- 型式:ABA-HM3
- 年式:平成21年式(2009年)
- 走行距離:約9万km
- 症状:バックドアを開けているのに勝手に再ロックする
- 故障箇所:バックドアラッチ内の開閉検知スイッチ
- 修理内容:バックドアラッチ交換
- 修理費用:8,910円(修理当時)
キー閉じ込みに注意!バックドアを開けていても車両側が開放を認識していない場合、自動再ロックによってキーを車内に閉じ込めるおそれがあります。同じ症状がある場合は、キーを車内に置かないよう注意し、早めに点検を受けてください。
バモスのドアロックが勝手にかかるのはなぜ?
まずは、今回の症状が発生した状況から説明します。
お客様の話では、キーレスでドアロックを解除し、バックドアを開けて荷物を出し入れしている途中で、勝手にドアロックがかかるとのことでした。
この話を聞いて、私はバックドアの開閉状態を車両側が正しく認識していないのではないかと考えました。
車のキーレスには、解錠したあと一定時間どのドアも開かなかった場合に、自動で再ロックする機能が付いているものがあります。
これは誤ってキーレスの解錠ボタンを押してしまった場合などに、施錠し忘れを防ぐための機能です。
例えばポケットの中でキーレスのボタンが押され、知らないうちにドアロックが解除された場合でも、ドアを開けなければ一定時間後に再ロックされます。
今回のバモスホビオでは、バックドアを実際に開けているのに、車両側はドアが開いていないと判断している可能性がありました。
そこで、ドアロックのモーターではなく、まずはバックドアの開閉を検知するスイッチを調べることにしました。
なお、自動再ロックの作動条件や時間は車種・年式・仕様によって異なります。
バックドアを開けてもルームランプが点かない
今回の故障診断で最初に確認したのは、ルームランプの動作です。
バックドアを開けた状態にしても、ルームランプが点灯しませんでした。

この状態から、バックドアの開閉検知系統に異常がある可能性を疑いました。
ただし、ルームランプが点かない原因は、ランプのスイッチ位置や電球切れ、配線不良などの場合もあります。
そのため、ルームランプが点灯しないというだけで、ドアラッチ不良と断定できるわけではありません。
今回はさらにドアラッチ側の回路を点検し、原因を絞り込んでいきました。
バックドアラッチの開閉検知スイッチを故障診断
今回のバモスホビオでは、バックドアの開閉を検知するスイッチがドアラッチに組み込まれています。
バックドアラッチは、バックドアを閉じた状態で保持するための部品です。
この部分に組み込まれたスイッチが正常に作動しないと、ドアの開閉状態を車両側へ正しく伝えられなくなる場合があります。

① ドアラッチの配線側を点検する
まずはバックドアラッチへ接続されているハーネスを取り外して点検しました。

今回の車両では、ドアラッチ側のハーネスを外し、該当する回路をアースしてみたところ、ルームランプが点灯しました。
つまり、点検した範囲では車両側のルームランプ回路が反応することを確認できたわけです。
この結果から、バックドアラッチ内の開閉検知スイッチをさらに詳しく点検することにしました。
点検上の注意:配線をアースする方法は、該当回路の配線図と作動方式を確認したうえで行う専門的な点検です。回路を間違えて短絡させると電装部品が故障する可能性があります。配線図を確認せず、カプラの端子を自己判断でアースしないでください。
② ドアラッチ内のスイッチ抵抗を測定
バックドアラッチを取り外して、内部スイッチの状態を調べました。
導通は確認できるものの、抵抗値が大きい状態でした。

本来、スイッチが閉じたときには、接点が正常につながる必要があります。
接点が汚れていたり劣化していたりすると、導通があっても抵抗値が高くなり、車両側が正常な信号として認識できない場合があります。
今回も、導通の有無だけでなく抵抗値の状態が重要な手掛かりになりました。
③ 洗浄してもルームランプは点灯しなかった
そこでドアラッチを洗浄し、もう一度抵抗値を確認しました。
洗浄後は抵抗値が下がりました。

しかし、仮組みしてバックドアを開けても、ルームランプは点灯しませんでした。
抵抗値が改善しても、実際の車両で正常に作動しなければ修理完了にはできません。
この結果から、ドアラッチ内の開閉検知スイッチが正常に機能していないと判断し、新品のドアラッチへ交換することにしました。
④ 新品ドアラッチの抵抗値と比較
交換用に用意した新品ドアラッチの抵抗値も確認しました。

不具合のある部品と新品部品の測定結果を比較することで、スイッチの状態の違いを確認できます。
ただし、測定結果はスイッチの開閉位置やテスターの測定条件によって変わります。数字だけを見て良否を判断するのではなく、回路の作動状態と合わせて確認することが重要です。
バックドアラッチ交換の修理費用は8,910円
今回の故障では、バックドアラッチを新品に交換しました。
修理費用の内訳はこちらです。
| 修理項目 | 金額 |
|---|---|
| バックドアラッチ部品代 | 4,660円 |
| 交換工賃 | 4,250円 |
| 合計 | 8,910円 |
修理費用は合計8,910円でした。
交換工賃は、レバーレート1時間8,500円で計算しています。
※修理当時の金額です。現在の部品価格や整備工場の工賃、車両仕様などによって費用は異なります。
今回は開閉検知スイッチがラッチに組み込まれているため、ラッチを交換する修理となりました。
同じような症状でも、原因が配線やほかのドアスイッチにある場合は、修理内容や費用が変わる可能性があります。
バックドアを開けても勝手にロックされる場合の確認ポイント
バモスでドアロックが勝手にかかる場合は、次のような点を確認しておくと原因を絞り込みやすくなります。
- キーレスで解錠した直後だけ再ロックするのか
- バックドアを開けてもルームランプが点灯しないか
- ほかのドアを開けたときは再ロックしないか
- ドア開閉の表示や警告が正常に反応しているか
- キーレスのボタンが誤作動していないか
今回の修理では、特に「バックドアを開けてもルームランプが点かない」という症状が診断の手掛かりになりました。
ただし、ルームランプが点かない理由はほかにもあります。ドアラッチだけを原因と決めつけず、点検結果から判断する必要があります。
また、キーを車内に置いたままバックドアを閉めると、再ロックによってキー閉じ込みになるおそれがあります。
同様の症状が出ている場合は、修理までの間、キーを車内に置かないよう十分に注意してください。
バモスのドアロック故障に関するよくある質問
Q. バモスのドアロックが勝手にかかる原因は何ですか?
今回のバモスホビオでは、バックドアラッチ内の開閉検知スイッチの不具合が原因と判断しました。キーレスで解錠してバックドアを開けても、車両側が開放を認識できず、自動再ロックしていたと考えられます。
Q. バックドアを開けてもルームランプが点かないのは故障ですか?
ルームランプのスイッチ位置や電球、ドア開閉検知スイッチ、配線などに原因がある可能性があります。今回の車両では、バックドアラッチ内のスイッチ不良を確認しました。
Q. バックドアラッチの交換費用はいくらですか?
今回の修理では、部品代4,660円、工賃4,250円の合計8,910円でした。修理当時の金額であり、現在の費用は異なります。
Q. ドアロックの自動再ロック機能は故障ではないのですか?
自動再ロック自体は、キーレスの誤操作による解錠状態を防ぐための正常な機能です。ただし、今回のようにドアを開けても開放が検知されない場合は、意図しない再ロックにつながることがあります。
Q. ドアラッチを洗浄すれば直りますか?
接点の状態によって一時的に改善する可能性はありますが、必ず直るわけではありません。今回も洗浄によって抵抗値は下がったものの、ルームランプは点灯しなかったため新品ラッチへ交換しました。
まとめ|バモスの勝手な再ロックはバックドアの開閉検知が原因だった
今回はバモスホビオのドアロックが勝手にかかる症状について、実際の修理事例を紹介しました。
- キーレスで解錠してバックドアを開けているのに再ロックする
- バックドアを開けてもルームランプが点灯しない
- 配線側の点検ではルームランプの作動を確認
- ドアラッチ内スイッチの抵抗値に異常があった
- 洗浄しても正常に作動せず、新品ラッチへ交換
- 修理費用は8,910円(修理当時)
今回の修理で重要だったのは、お客様から「いつ、どんな状況で勝手にロックするのか」を詳しく聞いたことでした。
最初に発生条件がわかったことで、バックドアの開閉検知スイッチを優先して点検できました。
また、キー閉じ込みにつながる可能性がある症状なので、同じような不具合がある場合は早めに整備工場で点検してもらうことをおすすめします。
バモスでは、ほかにもさまざまな故障を修理しています。整備事例はこちらにまとめています。

ドアが開かない、ドアハンドルが動かないといった別のトラブルについてはこちらの記事も参考にしてください。


